そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

不可解な自民党総裁選挙システムと日本の議会制度が無関心を呼ぶ

2021-09-27 | 民主主義

自民党総裁選挙が佳境に入っている。こていの選挙はおよそ民主的とは言えない、風ですっかり変わるし、風以前の風評でも変わるのに、一般党員の意向は突如として断たれるシステムになっている。
例えば、橋本龍太郎が圧勝予想を地方の一般党員が小泉純一郎の風に倒されてしまった。その逆が石破茂が地方票で圧勝しておきながら、国会議員がこれを覆し安倍晋三が勝利した。今回はどうやら河野太郎が一般党員票で圧勝しそうであるが、過半数に至らず、国会議員票で妥協を次々重ね票を集める岸田文雄が圧勝しそうである。
党内の抗争だけに留まるなら構わないが、実質このたった110万人の権力抗争が、この国の首相を決めることになる。国政選挙はこのところほぼ50%程度である。つまり25%の人の表を獲得すれば、政権を執れるのである。その党首を110万人で決めるのであるから、民主主義とは程遠いシステムと言わざるを得ない。
投票を放棄しても何のお咎めもないことも問題である。投票権を放棄すると旅券が取れなくしたり、自動車免許取得に制限を加えたり、その気になれば何でもできよう。罰則の導入を考慮しなければならない投票率のレベルである。
日本の有権者数ほぼ1億人であるが、5千万人が投票してそのうちの2500万人の表を越えれば、過半数を獲れる。国民のほぼ20%の人数でしかない。
それで政権を執る人物が、110万人の党員で決まる。国民の僅か1%以下である。この1%で決めた人物が、20%以上の票を獲得すれば、「国民の審判を受けた」と大見えを切る。
何をやっても責任を取ることなく、不都合なことは隠すし改ざんするし、何より寄らしむべしと忖度をいただく。
今日の政治不信と政治家の質の低下は、国民の無関心を根にして、それがために更に政治家が質を低下させ、それを口実に無関心が進行するという悪循環のスパイラルの中にある。その姿を自民党総裁選に見ることができるのである。
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