身の丈を越えた役職を受けた菅義偉であるが、八方塞になり身動きが取れず、自民党総裁選への立候補を取りやめた。延期されたオリ・パラにコロナ禍で菅は能力、体力を越えた課題に耐えきれなかったのである。
本来ならそんな大きな課題などは政治家冥利に尽きるのであるが、乗り越えるどころか、全く抗し切ることができなかった。同情する声も聞こえるが、同情するなら国民に対してするべきである。
この難題が目の間に降って湧いたので、そうしたことに目ざとい安倍晋三は恐れを感じ詐病で身を引いたのである。
宏池会の基本理念である護憲をすててまで、安倍晋三に寄り添った岸田文雄であるが、核兵器禁止条約批准にも反対したことには驚かされた。広島出身代議士として恥ずかしくはないのか。菅義偉がひいて岸田が急に浮上してきたが、史上最悪の安倍晋三と菅義偉の後では、誰がなっても多少は目につくであろう。
岸田が政権を吊るなら、河井案里の1.5億円に問題と、森友学園問題や加計学園問題に桜を見る会に取り組むかも見極めたい。このまま安倍晋三を無罪放免してはならない。
失政続きの菅義偉がひいたことで、最も困るのが野党である。特に外れたコメントを繰り返す枝野幸男は、最も影響を受けることになる。
自民党の権力抗争の総裁選を評価はしないが、党としての熱量は感じるところである。野党とりわけ立憲民主党に、政権奪取の熱量を感じられないのが残念でならない。
野党は菅の失政をつくことができなくなった。中身はともかく、日本人は新政権に弱い。直後の総選挙は思ったより自民は善戦することになる。