そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

戦争が下手なのに侵略が好きな国ロシア、敗北の日が近づいている

2022-05-11 | 石破茂

プーチンは2週間で首都キーウィを陥落できると見込んでいたと伝えられている。当然ロシア側はそんなことは認めてはいないが、その後の動きを見ていると否定し難いものがいくつもある。
元々ロシアは戦争が苦手な国である。第二次世界大戦では2500万人もの死者、戦勝国最大の犠牲者を出している。日本のような小国に負けたり、フランスやドイツには冬将軍の助けがなければ撃退できなかったりと、広大な面積を持ちながらまともに勝てたためしがない。
それでいて、ちょっと弱そうな国、隣接する小国には極めて横柄に威圧し侵略・併合を繰り返してきた。ロシア民族がシベリアへと、東へ東へと国土を拡大していった。恒常的な国土拡大志向があるのでないかと思われる。侵略した地域の無数の少数民族は、蹴散らすだけで充分であった。
プーチンの想定外はちょっと拾うだけで次のようにある。
先ずはウクライナの善戦である。ゼレンスキーは国外逃亡したとフェイクニュースまで流したが、ヤヌコービッチのようにはならなかった。政治未経験のコメディアンは国内にとどまって、国民には成人男子の国外禁止令をだし、愛国心を鼓舞し徹底抗戦を訴え、国外にはNATOをはじめとする圧倒的な支援を引き出した。
戦闘が長引くことで、ウクライナのNATOの加入を阻止し拡大を止めるはずであったが、スウェーデンとフィンランドを加入させる羽目になりそうである。武力行使が逆効果になってしまった。
全面的な協力を得られると見込んでいた中国が、余りにも理不尽なプーチンの行動にすっかり引いてしまった。プーチンの思わぬ計算違いである。
EU諸国、とりわけ天然ガスを大きくロシアに依存するドイツが反ロシアになるとは想定外だった。
戦闘そのものが杜撰である。圧倒的な戦力、火器を持ちながら細かな戦闘では撃ち負けている。とりわけ海軍の旗艦モスクワを失ったのは失態といえる。戦艦も炎上沈没しているが、攻撃されたとは言えないでいる。
戦勝地で兵士が、非戦闘員の殺害やレイプそれに単なる略奪を繰り返している。
兵站でのロシアの敗北が明らかになっている。プーチンは何処で敗北を認めるか、あるいは核などの手を伸ばすのか。プーチンが君主になれる最後のチャンスが近づいている。
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単なる民族主義者の虚構に過ぎないプーチン

2022-05-11 | プーチン
民族の規定に科学的な根拠などない。進化遺伝学者アダミ・ラザードは、「遺伝学的には人種間よりも人種内の違いの方が大きい」と述べている。人種を遺伝学的に規定することは困難であると述べている
織田信長の子孫だというフィギアスケーターがいたが、 400年以上になれば計算上は1億4千万人ほどに子孫の資格が及ぶ。現実的には地域や身分の制約などあってかなり重複するのでほこれほどにはならない。社会的には家督や資産の継続があって、末裔というのはそれでもかまわないだろうが、少なくとも科学的にはもっと広くなる。
民族は気候風土によって育まれたり、宗教や言語などを共有した仲間意識が文化となって高々数百年ほどで育まれたものである。生まれ育った環境は懐かしくもあるが、その逆に異なる文化には否定的になる。民族は大きく束ねられて、政治支配や言語や法律や地域を持ち国家を形成する。他文化や地域に対し諍いを繰り返すが、その原動力となるのが愛国心が用いられる。
アメリカがいい例である。世界各国から集まって200年に満たない歴史の中で、愛国心をブッシュは鼓舞しイラクやアフガンに侵攻する。
プーチンが、ロシアとベラルーシとウクライナは同じ民族と、大ロシアを唱えウクライナを侵略する。論理につながりがない。
圧倒的な軍事力で強引にチェチェンの民族意識を平定し、グルジアの人達をロシア化する。歴史を勉強しろとプーチンは唱えるが、内容は民族主義に他ならない。
イスラエルは5日、ロシアのラヴロフ外相が。「ナチスのアドルフ・ヒトラーに、ユダヤ人の血が流れていた」と発言したことについて、プーチンから謝罪があったと明らかにした。
プーチンが謝罪したのは時が時だけに、イスラエルと敵対したくない政治的判断といえる。イスラエルの借りを残したに過ぎない。しかしこれは現ロシア政府内に、民族的な優越と排除が存在していることを物語っている。
国家や人間を民族の評価で峻別しているのである。プーチンは多様な発言をしているが、結局は民族主義者なのである。それは前世紀の遺物である。ウクライナの人達は、プーチンならやりかねないた。
こうした民族主義者は世界各国にいて、政権中枢にはびこっていることも少なくはない。日本にも大勢いる。未だに靖国のエイレイを敬う、日本会議とその取り巻くがいい例である。
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