補欠選挙さえ杉田和博官房副長官が二年まえに拒否していた。欠員の補充すらできなかった。今回の6名の新任を拒否したのも、官邸にずっと居座り続ける警察官僚のトップにいた杉田和博官房副長官である。
6名の任命拒否の理由が、安保関連法などに公然と反対を唱えている学者であることは誰の目にも明らかである。これを認めると法に反することになることが解っているから、嘘をつく、論点を変えることに懸命な政府自民党である。
「任命できない人物がは除いてあります」と杉田に言われ、めくらばんを押した菅義偉である。多分大きな問題にはならなと思ったのであろう。名簿は見ていないと、めくらばんを押していたこととついうっかりい口にしてしまった。これを受けて自民党幹部は、学術会議は全く政府へ提言などしていない、中国の千人会に所属し技術を垂れ流し中国に協力しているなどと嘘を流し始めた。学術会議は今年に入って68もの提言を出している。千人会の件は虚偽であった。
今日国会で菅首相は、特定大学や地域に偏りがあると言い出した。これらはしっかりとこの10年で進行していることは上図を見ればわかる。少なくとも自民党国会議員が、男性に偏重していることが是正されていないことよりよっぽどましだ。偏りがあるのは自民党の考え方である。
そもそも大学には格差があるのは当然である。地域によって研究課題が異なったり大学の得手不得手はあって当然である。研究機関を大学が上回るのも当然である。
困った自民党は、学術会議の在り方にすり替える作業が急激に進行し始める、政府自民党での研究会の座長の元文科大臣の塩谷氏は、「学術会議は政府にいい提言を出してこない」と述べている。元防衛大臣の中谷は、「国立大学は政権に協力するべき」といずれも政権に従順な提言を望んでいる。
ならば政府は諮問機関を作って、イエスマンだけを集めた委員会を作れは済むことである。
多様な発言を拒み、不利になる提言には耳を貸さないとする政権の在り方にこそ問題がある。公然と中曽根康弘首相に反対意見を提言した、後藤田正晴官房長官は警察官僚であった。60年安保の時に赤城防衛大臣は岸信介に自衛隊に出動を毅然と断っている。菅義偉こそ柔軟性を欠き単一価値観の偏りを是正するべきである。
窮地に追い込まれると、虚言で逃げ切る姿勢を繰り返した安倍晋三のDNAは、しっかりと菅義偉に引き継がれている。