そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ温暖化だけでないだろ

2007-02-07 | 公害

今年の北海道は異常に暖かい。以前に、紅葉が10日以上も遅れているとこのブログに070128_ 書いたが、この冬の暖かさはかつてなかったものである。毎年、湖面が凍結して御み渡りを見せる、屈斜路湖が波打っているのである。40年この地に住んでいて初めてのことである。

「地球温暖化」という表現は、解かり易いが一面的でしかない。温暖化は「気候の危機」の一部でしかないのである。温暖化になれば、北海道でもわんさかお米が作れると喜ぶこともできない。気象の安定がなくなり、収穫に大きなリスクを伴うからであS_photo10 る。

アメリカ元副大統領、あるいは一瞬大統領のアル・ゴア氏が「不都合な真理」An Inconvenient Truthという映画を引っさげて日本にやってきた。環境に対して誠実な態度を見習いたい。この映画のサイトである。http://www.futsugou.jp/

ゴアの主張は単純明快である。人類は史上最大の危機に直面している。070118_05 温暖化を解かりやすく、氷河の崩壊や海面上昇を視覚的に、この映画で見せ付けることで訴えている。単なる脅しではない。

我々が便利な社会を享受する基盤になっている、エネルギーの多くは化石エネルギーに依存している。社会を直接変えることよりも、個人単位、家庭単位、地域単位からこの便利さを見直すところからでしか始まらない。

京都議定書作成のときにも彼は、アメリカ副大統領として出席していたが、そのご共和党政権になり、ブッシュはこれを蹴った。ブッシュは、イラク戦争の仕掛けた人間としてだけでなく、石油業界に顔色を見て京都議定書から脱退した最悪の大統領として、長らく歴史に残ることになるだろう。

テロの側に立つのか我々の側かと、と同じフレーズをブッシュに突きつけたい。「環境保護の側に立つのか破壊の側に立つのか」と。

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そりゃMOTTAINAIだろ

2007-02-05 | リニアー新幹線

001_6 日本の食料自給率は、物単位では40%ほどである。生産工程などを考慮した、実質自給率はでは、20%程度まで下落している。

生産家=農民の減少と、自給率の下落に反比例して、日本人の食卓は豊かになる奇妙な現象に国民は慣れきっている。今では誰もが、この摩訶不思議な現象を当然のように受け入れて、飽食を満喫しているようでもある。

飽食国家では当然のように、食べ残しが生じている。食品ロスの統計調査によると、一般家庭では8%ほど、外食産業では5%ほど、宴会では16%ほど、結婚披露宴ではなんと24%にもなる。

国全体では、年間2200万トンも廃棄されていることである。このうち再利用されているのは、わずかに12%程度である。私が獣医師になったころには、都会の周辺に食品加工業者からの廃棄物を乳牛に与える「カス酪農」や食堂などからの残飯を与える「残飯養豚」が盛んであった。食べ残しが有効に利用されていたのである。

本来の畜産とは、人が食べることができないものを家畜に与えて、それを家畜の生体を利用する形で、肉や卵や乳に変換する産業である。 ところが、この国の経済力が増すに従い、あるいは円が力を付けることで安価な輸入穀物を買い与えて、生産効率を上げる畜産へと変わってきたのである。

犠牲になったのは、生産を強制される家畜ばかりでなく、飼料用穀物を大量に輸入する、この国の食料自給率である。そSippoして廃棄される食料と貧困国家の食料自給率である。

なんと、”MOTTAINAI”ことであるか。今では、賞味期限などが設けられたおかげで、食料の廃棄のスピードが増したように思える。

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こりゃベトナムから学んだのさ

2007-02-04 | イラク

ブッシュが、来年度のイラク戦争の予算を996億ドル申請した。これで、アフガニスタンか7_jpg_2Bush_delivers_annual_state_of_the_union_ 始まるアメリカの戦争予算は、6,000億ドルを越えて、10年以上戦ったベトナム戦争を超えることになった。

イラク戦争などに、アメリカはベトナム戦争の半分の年月で同じ予算を使ったことになる。アメリカが07年度までに費やす金額は70兆円ほどで、ほぼわが国の一般会計に相当する大金である。

ブッシュが兵役を拒否したベトナムと異なるのは、死亡者の数である。イラク戦争では、ガーディアン紙な どによるとイラク人が67万人ほど、アメリカ人が3,000人ほど死んでいる。

Bombers_kill_iraq_police_1ところが、ベトナム戦争ではベトナム人の死者が100万人以上、死傷者が1,000万人を越えた とされている。これに対してアメリカ人の死者は、58,000人ほどであった。アメリカは、ベトナム戦争に送り込んだ、兵士の10%も死に追いやったことになる。

このことを考えると、アメリカはベトナム戦争から戦いの方法を学んだことになる。装備をハイテク化したりで、武器に金を使い自国の死亡者をかなり押さえ込んだことにはなる。

このことは、金さえつぎ込めば、アメリカは今までより安全に戦争ができることを意味する。事実、無線偵察機やロボット戦闘機械などをどんどん開発している。金さえあれば、より容易に戦争ができるようになったのである。

ベトナム戦争には、アメリカなりの大義があったが、今回のように大義も何もなくても、戦争するアメリカの姿はまるで”気違いに刃物”のように思えるのは、穿った見方だろうか。

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そりゃみな同じことだろ

2007-02-03 | マスコミ

Photo_73 先ごろ、テレビ番組に関する気になる二つの報道があった。一つは、あるある大辞典とやらのことである。こんな田舎でも、納豆が店頭から消えてしまうほどの影響力がある番組を、残念ながらほとんど私は見たことがない。もともと信用していないからである。類似の番組も、所詮テレビでしかないからと思っている。

この国の人間は、こんなにも簡単に番組を信用する軽薄さを垣間見た気がするが、納豆関連の株が急上昇するのまで見ると驚きを隠せない。

競争相手の他の局は、これ幸いと一斉砲火の感がある。それでは、フジテレビのほかの番組は、雪印や不二家が他の商品まで影響を受けたことを考えると、この局の体質まで問われないのは不思議な感じがする。攻撃する他局はどうなのだろう。

いまひとつは、NHKの従軍慰安婦問題を扱った番組の改編問題である。番組は元慰安婦の証言や天皇に関する部分を、圧力で変えたということを東京高裁が「編集権限の乱用・逸脱」を認めたことである。編集者は罰せられたが、同じく圧力をかけた安倍晋三や中川昭一たちの圧力は認めなかった、片手落ちの判決でもある。

安倍晋三たちは慰安婦も金をもらっていたのだから、国内の慰安婦と変わりない。韓国や満州に日本は道路や鉄道や工場などを作ってやったのだから、礼を言われてしかるべきだなどと発言を繰り返していた。占領下で収奪するためのインフラ整備を感謝する民族などいない。

公共放送のNHKが国民ではなく、政府や権力者におもねるようでは、大本営発表と同類に堕してしまう。

テレビ番組製作者は、自らの持つ影響力の大きさを認識していないのではないか。それとも、自らも所詮テレビ程度のことだからと思っているにであれば、その影響力を

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そりゃ家畜は産む機械だロ

2007-02-01 | アニマルウエルフェアー

Hakuo_yanagisawa 柳沢とか言う厚生労働大臣が「女は子どもを産む機械だ」と発言して物議をかもし出している。失言とか何とか言っているが、この手合いは思っていたことをうっかり口に出したに過ぎない。しかも本人は、少子化対策など厚生関係の最高責任者である。海外のメディアも盛んに報道しているようである。

時代が大きく変わっても、頭の中がそのままの人間を、自らの「論功行賞」という、主観で選んだことの顛末である。お坊ちゃまは、人事で躓くのは人を見る目がないからである。小泉内閣を唯一評価したいのは、こうした不祥事と無縁だったことであるが、どうやら選挙を睨んで与野党とも引きそうにない。

ところで、家畜はそもそもが産む機械として飼育されている。メスでなければ、卵を産まないし乳0411193も出ないし、子どもを産めない。家畜とはメスであるともいえる。家畜は産むための効率を上げるために品種改良がされてきたのである。オスは品種改良のために残されることはあるが、ほとんどが玉を抜かれ肉を付けて殺されて食卓に上がる。

効率よく改良された、家畜はたくさん卵を産むがために、またたくさん乳を出すがために、間断なく妊娠して分娩するがためにそれが負担になってきている。最近では多くを一度に飼うために、さらに家畜個々の管理が疎かになる。

先進国の家畜は、高生産と多頭羽飼育のためにと、高生産を強いられるために大変なストレスの下に置かれている。効率的な生産を行なっている酪農家の、乳牛の多くは半病状態にあり、羽すら伸ばせないニワトリは生きていくのがやっとの状態で、卵を生産している。安価な穀物を大量に与えられて、大量の畜産物を生産して短命に終わる。まさしく産む機械である。

柳沢大臣は、産む機械とはどんなものかも知らないで、発言しているのだとは思うが、家畜の世界ににも「家畜福祉」の概念が登場してきている昨今である。つまり、家畜の飼養環境を改善して、もっと生きている個体として扱わなければならない言われ始めているのである。

家畜ですら、生存環境や生産に伴うストレスが問題になっているのである。担当大臣としてもっとたくさん子どもが欲しいから、発言したのであろうがなんとも情けない知的レベルである。

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羅臼港

春誓い羅臼港