北海道沿岸で、マンボウが網にかかったり、釧路ではサバが大量に獲れてサケの漁獲量が減っている。昨日は、友人からブリを貰ったが、サケ主体の漁師町は戸惑うばかりである。北海道で、南洋の魚が獲れるのである。
陸上では、10年前には収穫できなかった、家畜用トウモロコシが獲れるようになった。厳冬の厳しさが弱くなったばかりか、秋が温暖で雨が少なくなっている。確実に温暖化が進んでいることを、肌で感じている。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)が、最初の報告書を提出したのが、1990年のことである。それから何度も報告書が提出され、今年4月
に第5次評価報告書が提出された。
35カ国から選出された、259人の執筆者によって書かれた。科学技術は、4年前の4次より確実に進んでいる。海洋深層までの水温データーが充実している。これまで一部の学者の反論もあった温暖化は、人為的のものである可能性が95%とであると断じている。
このままでは2100年には、4度前後の上昇が見込まれるとされている。これを2度程度に抑える必要があるとしている。
そのためには、温室効果ガスの排出を2010年比で41~72%削減する必要があり、それは2030年までに達成しなければならない。
日本で表現されている温暖化という表現も正しくはなく、異常気象とするべきである。今年の大雨は各地で記録的であり、災害も多様になっている。大雨あり、河川決壊や水害あり、大風あり、竜巻あり、猛暑あ
り、土砂災害あり、そのほとんどが前例がない規模のものばかりであった。
この異常気象が続けば、人の生活に欠かせない食糧生産が不安定になり、海外頼りの日本は真っ先に社会不安に陥る。
本報告書のもう一つの重要な点は、温暖化に対する「適応」を考えることを提案している点である。我々は適応の一つの形として、経済成長を見直す時期に差し掛かってきているのではないかと思われる。特に先進各国は、良いだけ異常気象に貢献してきたのであるから、途上国の経済発展に対して謙虚になり、アドバイスを示すべきである。
経済成長こそ、異常気象への害悪である。人間社会が無限に成長できるわけではない。アベノミクスやTPPはその典型である。