数年前、二女が中国雲南省への一人旅から帰って、出来上がってきた旅の写真を見ながら語ってくれた話の中から、ひとつ二つ。
小学校3,4年の子供たちが4人、女の子が3人と男の子が一人写っている写真が数枚。
着ている服が垢光りしたところもあり、日本の子ではないとはわかる。でもカメラに向かって笑っている笑顔を見ると、「どこの子供も一緒だね」と声をかけたくなるほど屈託がない。
そのうちの1枚。
「よい景色のところへ案内するって、この子らが私を連れて行ってくれたの」…写真の背景には見事な雪山が写っている。
「そのお礼にって、旅の途中でもらったぬいぐるみ1つをあげたらね、女の子たちがなにやらジャンケンしてたの。誰のものにするか決めているのかと思ったら、そうではなくて、一晩交代にするので、その順番を決めるジャンケンだった」
「それでね、この男の子が私に言うの。『せっかく貰ったものを容易に人にあげてはいけないよ』って」
…彼なりに考えた理屈です。
本当は自分もジャンケンに加わりたいのに、男の子である自分としては、ちょっと気まずくて、あげるのをやめればいいジャン、なんて考えるところ、その少年の気持ち、納得、納得です。
娘と子供たちは中国語。
その場にいても私にはちっともわからない会話だろうけれど、解説されると、その心理、わかる判る、同じだな、と思った一コマの話です。
そして、場所は変わって、もうひとつの話。
青いジャージー姿の中学生と娘が一緒に写っている。
この後ろに写っているいるのが彼女の家。古材で作った小屋のような家です。
向こうて゜働いているのがお母さん。いつも畑仕事をしているから、日焼けして年取って見えるけれど…。
娘は南京の大学に留学している日本人の大学生。広い国中国では南京は遠くにある大都会です。雲南省の田舎の畑作家庭の中学生は、日本という国からやってきた少し年上のお姉さんである娘に、叶うかどうか判らない向学心を語ったのでしょうか。
「別れ際にね、あなたと会った印に、なにかプレゼントを残したいのだけれど、今私は、プレゼントできるようなものを持つていないの。もし、失礼にならなければ」と断って、紙幣1枚を渡してきたのだと。
文化が異なり、生活レベルの違う国で、彼女と話すことで満たされた気分の印を残したかったのでしよう。
いつの旅でも、彼女ならではの話題を語ってくれます。
この娘、海外に行くとのびのびするタイプらしいです(笑い)。
そこに小学校があれば教室の子供たちを訪ねもするし、村の結婚式にも急遽列席したり、アジアの文化を研究しているならばと村人から火葬の場にも呼ばれたり、旅の話を聞きながら、親の知らない一面の持ち主だと判ってびっくりでした。
一人海外旅行が、ちょっぴり不安な私が、「一緒にどう?」と誘うと、「お母さんと一緒だと、海外に行った気がしない。いつもそばにお母さんの顔があって、日本語話すことになるから」
「うーん、……。」
初めて大学1年の春休みに、一人でアメリカ行きの飛行機に乗るとき、「日本円を片付けていいよ」というと「機内でお腹すいたとき、お弁当買わなくてはならないから…」なんて言っていたのに、あっという間に様変わり。
出かけた旅先の一コマ、一コマを語ってもらった中から、いま頭に浮かんだ話です。
いつも一人旅で、こちらは無事の帰りを待つばかりなのですけれど。
小学校3,4年の子供たちが4人、女の子が3人と男の子が一人写っている写真が数枚。
着ている服が垢光りしたところもあり、日本の子ではないとはわかる。でもカメラに向かって笑っている笑顔を見ると、「どこの子供も一緒だね」と声をかけたくなるほど屈託がない。
そのうちの1枚。
「よい景色のところへ案内するって、この子らが私を連れて行ってくれたの」…写真の背景には見事な雪山が写っている。
「そのお礼にって、旅の途中でもらったぬいぐるみ1つをあげたらね、女の子たちがなにやらジャンケンしてたの。誰のものにするか決めているのかと思ったら、そうではなくて、一晩交代にするので、その順番を決めるジャンケンだった」
「それでね、この男の子が私に言うの。『せっかく貰ったものを容易に人にあげてはいけないよ』って」
…彼なりに考えた理屈です。
本当は自分もジャンケンに加わりたいのに、男の子である自分としては、ちょっと気まずくて、あげるのをやめればいいジャン、なんて考えるところ、その少年の気持ち、納得、納得です。
娘と子供たちは中国語。
その場にいても私にはちっともわからない会話だろうけれど、解説されると、その心理、わかる判る、同じだな、と思った一コマの話です。
そして、場所は変わって、もうひとつの話。
青いジャージー姿の中学生と娘が一緒に写っている。
この後ろに写っているいるのが彼女の家。古材で作った小屋のような家です。
向こうて゜働いているのがお母さん。いつも畑仕事をしているから、日焼けして年取って見えるけれど…。
娘は南京の大学に留学している日本人の大学生。広い国中国では南京は遠くにある大都会です。雲南省の田舎の畑作家庭の中学生は、日本という国からやってきた少し年上のお姉さんである娘に、叶うかどうか判らない向学心を語ったのでしょうか。
「別れ際にね、あなたと会った印に、なにかプレゼントを残したいのだけれど、今私は、プレゼントできるようなものを持つていないの。もし、失礼にならなければ」と断って、紙幣1枚を渡してきたのだと。
文化が異なり、生活レベルの違う国で、彼女と話すことで満たされた気分の印を残したかったのでしよう。
いつの旅でも、彼女ならではの話題を語ってくれます。
この娘、海外に行くとのびのびするタイプらしいです(笑い)。
そこに小学校があれば教室の子供たちを訪ねもするし、村の結婚式にも急遽列席したり、アジアの文化を研究しているならばと村人から火葬の場にも呼ばれたり、旅の話を聞きながら、親の知らない一面の持ち主だと判ってびっくりでした。
一人海外旅行が、ちょっぴり不安な私が、「一緒にどう?」と誘うと、「お母さんと一緒だと、海外に行った気がしない。いつもそばにお母さんの顔があって、日本語話すことになるから」
「うーん、……。」
初めて大学1年の春休みに、一人でアメリカ行きの飛行機に乗るとき、「日本円を片付けていいよ」というと「機内でお腹すいたとき、お弁当買わなくてはならないから…」なんて言っていたのに、あっという間に様変わり。
出かけた旅先の一コマ、一コマを語ってもらった中から、いま頭に浮かんだ話です。
いつも一人旅で、こちらは無事の帰りを待つばかりなのですけれど。