日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

子育て覚書 

2006-08-27 10:07:37 | 子育ての周辺
今日から1週間、「釣りバカ」ならぬ、「親バカ」シリーズです。
昨日に続いて、くどい!と思われる方は、パスしてください(笑い)。

あんな時があったのだろうか。
確かに、そうだった。
高校3年になる長男の秋の文化祭。

それは5月ころだったろうか。
食事をしながら、
「秋の文化祭で、主役級の役をすることになった。ピアノを弾く役でね…」
「えっ、そんなに大きい役?」
「僕が決めたのだから、何も文句を言ってほしくない」
-小学校の時から、目立つことが嫌いだったのに、よりにもよって、受験前のこのときに台詞の多い主役級…ー
母親の私の心のうちは、不安がムクムク。
「この話題は、家では一切しないからね」
長男の剣幕で、話はストップ。

夏休みが過ぎて、秋。
多分、あの話は進行しているのだろうとは思うものの、情報は一切なし。
同じ高校に通っている中学時代の同級生のお母さんに電話で聞いたら、文化祭の日程ぐらいはわかるかもしれない。
まったく、親バカで、漸く聞き込んだ日程の日に息子の高校へ。

舞台のある体育館。
受付でもらったプログラムを手に暗がりの中、一脚のパイプ椅子に腰を下ろす。
件の劇の番。
舞台上には誰もいない。
突然、脇の通路(なんというのか、2階席の高さの窓際通路)から台詞が聞こえスポットライトが、長い台詞を語っているのが…、
小学校のときにジャンケンで台詞の少ない役を奪い合っていた息子です。
そして、舞台中央に登場して、ライトを浴びて、ここでも滔々と長台詞を…。
小学校のときにジャンケンで台詞の少ない役を奪い合っていた息子です。

初めて話題にしたときの、私の反応を察してから、ずっと話題を避けていたから、衣装を見るのも初めてです。
これをやりぬきたかったから、発声練習の素振りも一切見せずに、彼はこの日を迎えている。家族(母)が見に来ていることも、当然知らない。
そういえば、映画「いまを生きる」が大好きだと、何回も見ていた。
思春期、映画の中の高校生に共感するものがあったのだろう。
内気な法律家の息子○○が主役じゃない?と言っていたこともある。
映画の中でも、親に反対されながら、シェークスピア劇に夢中になっている高校生チャップ(?)がいた。
今は、あの演劇青年に自分を投影しているのだろうか。

そんなことをあれこれ思い巡らしながらの時間だった。

全国の高校で、毎年あるであろう文化祭。
いろんな演劇が、今年も上演されるのでしょう。
どこの家庭にでもある、ひとつの通過点なのでしょうけれど、自分だけでは味わえない、子育てをしていたからこそ味わえた1シーンです。

その後も、ずっと話題にしていません。
家族で観客としてみたのは私だけ。
本当に見たのは確かなのですが、だんだんぼやけてしまいそうで、ここに記して残します。

もし、ここまで読んでくださったとしたら、親バカの話として、ご笑納ください。
ピアノ?
舞台では弾きませんでした。
隣室から曲が流れてくるという設定になっていたようで…。

そういえば先日ドライブ中、FMから聞き覚えのある曲が流れてきました。
ほら、この曲、食事の準備をしながら、いつも聞いていた。
リビングダイニングにピアノがある我が家では、練習の音がモロに聞こえるのです。
ベートーベンの「テンペスト
自分が弾いていた訳ではないのに、なぜか子供たちがピアノに向かっていたころが思い浮かぶのです。
クーラーのない部屋で、ご近所迷惑だから窓を閉め切って。
子供には背中に扇風機の風。
私?。
台所の熱気、暑つかったー。
これも、子育ての置き土産です。








コメント (2)
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