日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

はがきが届いた。

2012-05-03 05:24:38 | 私の雑感あれこれ
夫宛の一枚のはがき。
差出人は歯科医院。夫のかつての○○の仲間です。

「ご挨拶」の文章は、一足お先に彼岸へ旅立つこととなりました。○○で過ごした想い出は一生の宝でした。どうもありがとうございました。と結ばれている。
 もうひとつ長男○○さんの文章があって、文章内の月日と差出日付の漢数字だけが手書きです。
そう、自分の死が近いことを察して、文面を用意し、ご長男に発送を託されていたのでしょう。
こんな挨拶状が届いたのは初めてです。

一緒にハイキングしたのは10年以上前でしょうか。
背の高いジェントルマンでした。大学を卒業後、もう一度東京医科歯科大学に入りなおして歯医者さんになった、なんて経緯を歩く道すがら伺ったことなど思い出しました。
私より一回り以上年上の方です。戦後の混乱期あたりが青春だったのでしょうか。

人の記憶力の器って、結構容量もあるのですね。私が一度しかお会いしていない、夫宛の一枚のはがきを前にして、ハイキングの道すがら聞こえてきた、ささやかなエピソードが思い起こされ、さぞ誠実に生きてこられたのだろうな、と思いを馳せることが出来ます。
あの○○さんだから、こんな形でお別れの挨拶のはがきを出そうとおもわれたのだな、と自然です。

改めて、はがきを見ました。
ご長男○○となっていますが、決して喪主とはありません。お葬式の案内状ではないのです。
「旅立つこと」の案内状なのです。
参考にしたいものです。
コメント (4)
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