2006年のドイツ映画「善き人のためのソナタ」。
ベルリンの壁崩壊の前の東ドイツを描いている。
1980年代のことなのに、壁の向こう側の生活がこんなにも閉塞感で満ち満ちていたかとという、ひとつの刻印のような映画です。
以下、ネタバレあり。
シーンのひとつに、自殺率1位はハンガリーで東ドイツは2位、そして来年からは、自国の自殺者数を公表しないことにしたという場面があるけれど、絶対権力者(組織)の意のままにある国民の絶望感が滲んでくる。
何とか、この東側人たちの置かれている実態を西側に伝えようという人(知識人)と、それを絶対阻止すべく動く組織とのせめぎあい。
阻止する側の男が、ある時期をもって、劇作家(知識人)情報を上に上げることをやめた。その数年後に壁が崩壊し、次々と命を落としていった仲間がいるのに、なぜ自分は難を逃れたか、と疑問を持つ。
そして、誰かが自分の情報の通知を止めていてくれたおかげで今がある、と言うことを知った、という話。
その男は、密告をしないことに決めた代償として、自分の今後の将来を諦めた。
良心を保ち続けるために、地下室での作業員に明け暮れることを受入れたのです。
その作業中に、西側のニュースを傍受していた仲間から、壁が崩れたことを聞かされる、という流れ。
自分が生き延びた顛末を知った劇作家が、この話を出版し、その本の広告を目に留めて、男は本屋に入l買い求める。
店員「(贈り物のための)包装しましょうか」
男 「イヤ、自分のための本だから、包装の必要はない」と。
独裁体制国家は多かれ少なかれ、このような状況下にあると想像できます。壁が崩れなかったら知ることがなかった物語です。
ベルリンの壁崩壊の前の東ドイツを描いている。
1980年代のことなのに、壁の向こう側の生活がこんなにも閉塞感で満ち満ちていたかとという、ひとつの刻印のような映画です。
以下、ネタバレあり。
シーンのひとつに、自殺率1位はハンガリーで東ドイツは2位、そして来年からは、自国の自殺者数を公表しないことにしたという場面があるけれど、絶対権力者(組織)の意のままにある国民の絶望感が滲んでくる。
何とか、この東側人たちの置かれている実態を西側に伝えようという人(知識人)と、それを絶対阻止すべく動く組織とのせめぎあい。
阻止する側の男が、ある時期をもって、劇作家(知識人)情報を上に上げることをやめた。その数年後に壁が崩壊し、次々と命を落としていった仲間がいるのに、なぜ自分は難を逃れたか、と疑問を持つ。
そして、誰かが自分の情報の通知を止めていてくれたおかげで今がある、と言うことを知った、という話。
その男は、密告をしないことに決めた代償として、自分の今後の将来を諦めた。
良心を保ち続けるために、地下室での作業員に明け暮れることを受入れたのです。
その作業中に、西側のニュースを傍受していた仲間から、壁が崩れたことを聞かされる、という流れ。
自分が生き延びた顛末を知った劇作家が、この話を出版し、その本の広告を目に留めて、男は本屋に入l買い求める。
店員「(贈り物のための)包装しましょうか」
男 「イヤ、自分のための本だから、包装の必要はない」と。
独裁体制国家は多かれ少なかれ、このような状況下にあると想像できます。壁が崩れなかったら知ることがなかった物語です。