私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

意志の勝利

2009-08-15 19:15:31 | 映画鑑賞
レニー・フェンシュタールが撮ったドイツ労働党の全国党大会の記録映画。
6日間に渡って行われた党大会はどこまでも大がかりだ。集まった人々の視線は演説中に右上45度に上げられたヒトラーの指先に向けられる。労働を讃え団結を唱えるヒトラーの言葉に同意する人々の右手は彼と同じように右上45度に掲げられる。その大人数に、大空の下、並んだ人波の美しさにびっくりする。ヒトラーの演説に耳を傾ける人々の顔は横顔だったり、下から撮されている。彼に対する視線は常に少し上に向けられている。
夜間集会の会場を埋め尽くす党旗の波が夕暮れから夕闇と変わって行く中で浮かび上がって行く様は、その美しさにびっくりする。白黒の画面にも関わらず、浮かび上がって見える旗の美しさに感動してしまうのだ。
しかし、私達は知っている。ヒトラーはドイツ、ドイツはヒトラーと叫ばれた裏で何が行われたかを知っている。それさえ知っていさえすれば、映像の美しさを讃えてもいいはずだ。それさえ知っていれば反面教師として映画の内容について考える事が出来るはずだ。

知らない事は恐ろしいと思う。例え立派な反戦映画であっても、反戦という考えがなければ立派な戦意高揚映画になりうると思う。映像がすべてを担うのではないと思う。映像を判断するのは自分自身だと思う。


***追記***
前の日の晩に豚足を食べながら「明日の休日出勤後は@意志の勝利を見に行きたい」などと同僚に話していたのだが、早めに仕事を切り上げて立ち寄った映画館は満席で立ち見も出るほどの盛況ぶりだった。(モーニングショー、レイトショーだけだったはずの公開も、客足がよかったようで夕方の上映が追加されていたようだった。)
帰宅後、その日の日経新聞の朝刊コラム@春秋に取り上げられていたことを知る。立ち見が出るほど盛況だったのはそのせいもあったのだろうか?


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