私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

パタカラの思い出

2014-04-23 20:47:17 | なんということはない日常
今晩のホンマでっか!?TV で「パタカラ体操(いや運動?)」について取り上げると知り(テレビ欄で見ただけなのだが)なんだか懐かしくなってしまった。


「パタカラという言葉は魔法の言葉なんですよ。パタカラというと唾液が沢山でます。食事の時には唾液が沢山出るのが大事ですからね~。まずは最初に唾液のよく出るツボを指でマッサージしてからパタカラを言いましょう!」というスタッフの人の指示により、父が入っていた施設では毎食前に必ずこのパタカラを皆で唱和していた。二年ほど前の事だ。

週末の土曜日と日曜日は毎回昼食を一緒に食べるために施設に通っていたのだが、ただ、パタカラという言葉だけを繰り返す時もあれば、「パから始まる食べ物ななんでしょう?」などと頭文字がパタカラの言葉を何か挙げてもらい「パンダ!パンダ!パンダ!パンダ!パンダ!」「タヌキ!タヌキ!タヌキ!タヌキ!タヌキ!」「案山子!案山子!案山子!案山子!案山子!案山子!」「田螺!田螺!田螺!田螺!田螺」などとなかなか渋い単語を元気よく繰り返しているときもあった。

お題を食べ物にしたり、動物にしたり、野菜にしたり、毎回の事なので何とか飽きないように工夫しているスタッフの人の苦労がしのばれたが、元気な人生の先輩たちは「そんなにいろいろ思いつかないわよ!」と言い、ラのつく言葉で食べ物と言えばラーメン、パのつく言葉で動物と言えばパンダと毎回同じような言葉を言っていたようだった。

父は大きな声を出すのが恥ずかしかったのか、にこにこ笑いながらも「私はやりませんから。」と皆が大きな声を出すのを見ているだけだった。
私が「なんでやらないの?」とたずねると「ゆみこがいない時はいつもやっているよ」と大きな声で返事をしてくれた。それを聞いていた人が大きな声で笑っていたのを見ると、どうやらいつも黙って見ているだけだったようだ。

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「食べ物が上手く飲み込めず、むせてしまうお年寄りが多いから、この運動をやって少しでも防止しないとね。。。」とスタッフの人は私のパタカラの効用を説明してくれた。
嚥下の力が落ちると誤飲してしまい、食べ物が気管から肺に入り、誤嚥性肺炎を起こす確率がとても高くなるのだという。父も誤嚥性肺炎を起こしてからは体力が急に落ち、少しずつ、食事をとることが出来なくなっていった。
だから、パタカラという言葉を聞くと、ちょっとだけ切ない気持ちになったりもする。