特捜部Qシリーズの第7弾。
女性を狙ったひき逃げ事件、更には老女殺害事件と過去の事件の関わりを中心に、結果的には特捜部Qチームはいくつもの事件を平行して追う展開。しかし今回は現在の事件というよりも、特捜部Qチームのメンバーであるローセの事件がチーム内に大きな影を落とす。
現在の事件は、自撮りする女たちが道を外れていく過程が非常に傲慢であり、自意識過剰だ。恵まれない環境にいる不満を、別の誰かを卑下することで解決しようとする展開は、目をそらしたくもなる。しかし、シリーズ物のいいところは、現在の事件を追いつつも、チーム員の人生を感じる事が出来るところだ。
やや理不尽な事件に対するフラストレーションとともに、チーム員のローセを助けようと尽力するメンバー達の友情がシンクロする。
シリーズ物の醍醐味を感じさせる1冊だ。
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クリエーター情報なし | |
早川書房 |