ムハンの仕事帰り、偶然を装って彼と同じバスに乗り込み、彼の隣に座るスンジン。
「偶然も何度も重なれば運命になるわ」という彼女の言葉と、バスの中で眠る彼女の横顔を見ながら「君を愛してみることにする」と突然彼女に告白するムハン。
何かを決心したような彼の口調に驚きながらも喜びを隠せないスンジン。
近づいた動機は正直に告白できないが、いくら崖っぷちな彼女でも、だまそうと思って近づいたわけでもない。そして彼女も、愛犬を亡くしたムハンの隣に寄り添おうとするのだ。縁があって、一緒に過ごす時間が増え、歯車さえ狂わなければ愛情はこんな風に自然に大きくなっていくものなんだろう・・・
しかし、二人の間には邪魔も多い。スンジンを心配するあまりムハンを疑う元夫もそうだし、「お父さんのそばから離れてくれたらあなたを告訴することを止める」というムハンの娘もそうだ。更にムハンの元妻は「彼女は前科者よ。」と冷たく言い放つ。。。
しかし寄り添うと決めたムハンの気持ちは揺れる様子はない。
スンジンもムハンと一緒に過ごした後、「あなたの視線がとても嬉しかった・・・私を求めてくれたこと・・・誰かに選ばれたこと、私も女なんだな・・・私も生きているんだな・・・って」と言いながら涙を流していたから、ムハンのお金にちょっとだけ目がくらんだことをもう忘れたのだと思った。401号室から追い出され、結局行き場がなくて苦学生が下宿するような場所に住む彼女も、スーパーで仕事していることは隠しつつも、ムハンと付き合い続けることを前向きに選択したのかと思っていた。
しかし友人に「愛しているフリをすれば、本当に好きという気持ちが生まれるかしら・・・」などと、揺れる気持ちを打ち明けているところをムハンにこっそり聞かれてしまい、誤解されてしまうことに・・・(友達にやや照れ隠しに話をしていた内容だったはずなのに、まぁ誤解されても仕方ない内容か・・・)
ところが彼女が自分の娘のためにキャリアを生かした仕事にも就けず、さらには安宿のような場所に住んでいることを知ると、ムハンはなぜか突然「結婚しよう」と怒りに任せて彼女にプロポーズするのだ。
医師から余命を告げられ、5月までは生きられないだろうと言われたムハンに、まだ死ぬという実感はない。。。しかし、愛犬ビョルも亡くなってしまった。実感はなくとも死は確実にやってくるのだ。
「私は彼の寄生虫・・・」というスンジンの言葉を聞きて、どんな思いで怒りながら彼女にプロポーズしたのだろう....
*****
亡くなった娘の事を思い出しながら、涙するスンジンの姿。怒鳴りながらも彼女の居場所を確認しようとするムハンの姿。大人が心を痛めながらも誰かそばにいてくれる人を探そうとする姿を見ながら、切なく、そして身につまされる。