後妻が王である父の子どもを身ごもったため、宮廷内で立場が危うくなる世子。父である王の急病もあり宮廷内には不穏な空気が漂うのだが、そこに王の急病と関係がある疫病が蔓延することで、一気にストーリーは加速するのだ。
跡継ぎを産む事で権力を手に入れようとする若き後妻。娘を王に嫁がせた事で自分も権力を得ようとする後妻の父親。謀反人に仕立て上げられるも、国の未来を考え起死回生を狙う世子だが、そこに忍び寄るのはゾンビ化した民衆たち。
一旦亡くなっても夜になると活動し出すゾンビは、次々と獲物を狙い、一度でもその毒牙にかかった人は自らもゾンビ化することに。背中などを刃物で刺しても死ぬ事のないゾンビは、どうやら打ち首にすれば二度と蘇る事はないようなのだが、とにかくその行動力は半端なく、倍々ゲームでゾンビが増えていき、国の安寧を目指す世子の行く手を阻むのだ。
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韓国時代劇で必ず語られる権力闘争、骨肉の世継ぎ争いを軸に、ゾンビとの闘いが描かれる。
ゾンビの襲来を知らせるため、世子たちは昼は隊列を作って移動し、夜は陣地で火をともしゾンビの襲撃に備えるのだが、そのロケーションと撮影に素晴らしさに感動する。
ゾンビが活動するのが夜のため、夜間のシーンが多いのだが、松明の明かりだけでも浮かび上がる戦闘シーンとゾンビの大群が押し寄せてくる様がほの暗い明りの中でも綺麗に見える。それだけでも感動なのだが、それらのシーンを思いっきり引きの画面で見せてくる。昼間の場面で引きの画面が多いのは分かる。それと同じ位の規模の事を夜の場面でもやっているのだ・・・どれだけお金をかけているのか・・・ネットフリックスの資金力に驚くしかない・・・・
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時代劇とゾンビとの闘いというストーリーが成功しているのは、宮廷内の争いの描き方がコンパクトで的を得ていることにもあると思う。権力争いのポイントが、息子を殺された父が権力に固執する様と、その男の娘が王の後妻になり王の子を身ごもる中で段々と精神を病んで行き崩れていくという点にフォーカスされているのだが、それがかなり怖い。ゾンビ化する話も怖いがこの後妻の話も別の恐ろしさと悲しさをはらんでいる。
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韓国ドラマとしては割と短めの6話。ただ、謎解きはシーズン2に続く・・・・