BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

アクセル・ワールド 第6話  『Retribution;応報』

2012-05-12 16:05:18 | SAO/AW

うん、いいね。今回は非常にいい。

原作の流れで行くと、基本的に1巻から2巻の間のエピソードにあたる10巻の短編にあたるのだけど、それだけではなく幾つかオリジナル?で補完されていて、妙に納得。

引きも今回は絶妙で、ちょっといつもと違うなと思ったら、脚本が花田十輝さんだったのね。これも納得。この人は、お話のテンポの、緩急が上手いから。

今回はほんとうにいいと思ったのは、実は原作を初めて読んだ時、1巻と2巻の間にはなんかギャップがあると強く感じていたから。

最も違和感があった箇所はタクが青の軍団を抜けて、ハルや黒雪姫のネガ・ネビュラスに移籍したこと。いや、これどう考えても、この間まで相当なズルをして、黒雪姫のポイントを狙い、ハルと対戦までした奴を仲間として迎えるのに、「いや、あいつは親友ですから」の一言で片付けるのは無理があると感じたし、そもそもタクはどうしてそこまで自分を変えたのか、というのがわからなかった。

それは、今回の原作になった10巻の短編を読んでも実はわからなくて。

もっとも、若干、この先のネタバレに近いけど、ハルとタクの間の確執は、この先、物語が進んでいく中で一度噴出することになるわけで、そのことがあると、10巻の短編でタクの描写を行う必要は確かになくなるんだよね。タクがどういう思いでネガ・ネビュラスに移ったか、そのあたりの感情はこの先の確執である程度吐露されるから。

けれども、今回のように、時系列にそって、1巻と2巻の間のエピソードを補完しようと思うと、ハルだけの話では足りなくて、やはりタクの話をある程度明らかにしておかないと、この先のネガ・ネビュラスの結束が嘘っぽく見えてしまう。

・・・てなこともあって、タクの移籍に関するエピソードの補完が行われた回だった(正確には次回と2話で補填されるわけだ)。

で、その補完の仕方もうまかった。

そう、すっかり忘れていたけど、ハルとタクの関係修繕もさることながら、そもそも黒雪姫とタクの間の主従関係の確立もちゃんと描いておかないと、絶対この先、タクの行動を理解しながら物語を見ることができない。ということで、最後の黒雪姫とタクのセッション、ということになるのだろう。

いやー、よく考えてるなぁ。上手い!
疑問に感じていたことを綺麗に整理してくれた。

でも、これはきっと、アクセル・・ワールドを映像化するにあたっては、物語をハルだけのものにしない、と考えてのことなのだろうな、と思う。

原作を読んでいるだけなら、基本的にはハル視点で追いかければいいからそれほど気にならないことでも、実際に映像にすると、ハル以外のキャラについても、行動原理というか、行動パタンをちゃんと描かないと、話の進行がギクシャクする。

チウの描写もそのためなのだろうな。

あと、どうして若宮恵が、キャストの発表も含めて早期にフィーチャーされているのだろうと疑問に思っていたけど、彼女の役割は、むしろ、黒雪姫の心情吐露の相手役ってことで。ここも上手い。彼女も10巻までは大した位置づけのないモブの一人ぐらいに思っていたけど。

ちなみに、10巻では彼女が鍵をにぎる短編もあるわけだけど、これも時系列にそって挟み込んでくるのかな。だとするとさらに物語の幅が広がることになる。

多分、いろいろと人物描写でおかしいなと作者も思っていたことが10巻の短篇集で後付ながら補填されたのだろうと思う。そういう意味では、10巻を読んでから、2巻以後を読むとまたちょっと違った読み方ができるのかもしれない。

で、アニメの方は、その10巻の補完がされた世界がこの先続くということになる。

となると、基本的には原作に忠実なわけだけど、細部の強調を通じてオリジナル的な展開も挟まれていくことになるのだろう。いやー、いいね。

で、その筆頭がいうまでもなくアクア・カレントの6話にしての登場。彼女?の登場で、旧ネガ・ネビュラスの存在や、彼女を含むエレメンツの話も先見せされるのだろうし。
これは楽しみ。(そういえばフーコのCVは遠藤綾さんに決まったようで。イメージ通りw)

正直なところ、相変わらずハルのうじうじしたところはいただけないのだけどw、しかし、その分、周りのキャラを早期からしっかり描こうとしていて良い感じ。

となると、8話以降の、赤の王の話にも期待大。

いやー、いい感じの展開になってきたの嬉しい。
しかも、これ2クールなんだよね。
原作をいい意味で映像的に解釈して物語にしているのはとても好感がもてる。
次回、そして、次々回がとても待ち遠しいw

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