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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 『落陽、そして墜月』  感想

2013-04-10 20:53:06 | Weblog
うーん、期待していたほどには面白くなかったなー。

というか、今回は完全に「中継ぎ」回なので、未読の人は次の8巻?がでてからまとめて読む方がいいかもね。それくらい、展開が鈍いし、山場に欠ける。

早めに8巻?を7月くらいには出すと言ってるから、この山場のなさについては作者も自覚してるのだろう。

一つの巻には最低限でも一つはスカッとした、という感じのカタルシスが必要だと思うのだけど、今回は、とにかくそういうのがない。
強いて言えば、最後に十六夜が大ピンチになるところくらいだけど、それはそこで、幕切れしてしまってるから、むしろ、次巻への貯めなんだよね。

で、それは置いておいても、今回の山場のなさの最大の原因は、ノーネームのメンバーをみんなバラバラに戦わせてしまったことだろうね。

もちろん、それは、各人各様に経験を重ねて成長する、という展開なのだろうけど、それを四人も五人もやられると、さすがにお話としてぶつ切りに過ぎる。

その上で、ジャックのエピソードや、金糸雀がいた頃の全盛期ノーネームの面々のエピソードまで入れるから、さすがに情報が過多。

もちろん、それらを広げるだけ広げて一気に収束させることで物語のステージを一段あげようというのが作者の狙いなんだろうけど、だったら、次の8巻を含めて、少々厚めでも一冊にして出すべきだったと思うな。

そういう意味で構成上イマイチだったのは、殿下たちとの戦いがあまりにすんなり始まりすぎたところと、その戦いを行なっている最中に、ノーネームと殿下たちが協働関係になるかも?という予感を与えてしまったところ。

これは失敗でしょう。どう考えても。

殿下たちと手を組むにしても、一旦徹底的に敵として、つまり、殿下たちを悪役として跋扈させてから、いや実は彼らにも事情があって・・・・、という展開にして欲しかったなぁ。

要するに、殿下たちがそんなに悪くない、という話は次巻までとっておいて欲しかったと思う。

とにかく本巻については、物語の構成がお粗末。
なので、楽しめなかった。

耀の父や金糸雀のこととか大事なことはわかったけど、彼らが本編に絡む重要な「
先代ノーネーム」であることはわかったので、その話は今の十六夜たちの戦いの後にいれて欲しかったな。

ともあれ、次巻を待つことにする。

あー、でも、いろいろと不満を書いたけど、シリーズとしてはこの話は好きなので。

あくまでも、情報量の多さを上手く処理できてない物語構成に不満を感じているだけなので。

次巻はどう考えても、十六夜がスーパーサイヤ人並にパワーアップするはずなので。それはそれで楽しみ。
あるいは白夜叉の活躍とかね。

そう思うと、この物語は、何気に西遊記やドラゴンボールみたいだよな。
登場人物の多さも設定のめちゃくちゃさも、戦闘のパワーインフレも。

で、それを「ゲーム」という枠組みでやるから今風になる。

ということで、次回の十六夜の怒髪天を衝く様が楽しみ!

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