ここからモナコ公国です。われわれの世代では1956年ハリウッド女優グレース・ケリーが国王レーニエ3世と結婚したことでよく知られている国です。今の世代では、カジノ、F1グランプリですかね。
立憲君主国です。ちなみに世界で君主のいる国(日本を含め)は22カ国です。人口約3,6万人の世界2番目に小さい国です。人口の84%が外国人(フランス国籍47%、イタリア国籍16%、その他21%)です。
余談話
最近「反日」が嫌いで「反日」というコトバが好きなひとびとの声が高いようです(私の年少時代は「非国民」)。今回の旅行を通じて「国家」「国境」「国籍」などを考えることがたくさんありました。「国境」はフリーパスでした。モナコの人口の16%だけがモナコの国籍を持っていました。ドイツでも移民やその子孫の人口が20%を超えています。イギリスでは居住者の8人に1人が外国出身者で12人に1人が外国籍です。オーストラリアでは人口の26%が外国生まれです。シンガポールでは人口の40%が外国人です。
カルロス・ゴーンはフランス、レバノン、ブラジルの国籍を持ちそのおのおのの大使館から留置所に面会がやってきています。 法廷での言語はフランス語でもなく、アラビア語でもなく、ポルトガル語でもなく、英語でした。(9日追記)
「国家」・「国籍」とはなんなんでしょうね。
ローマからジェノバまで鉄道で行き、ジェノバからフランス経由でモナコ公国へバスで移動しました。
ローマ出発の駅はイタリア最大のテルミニ駅でした。ボケた写真ですが駅の向こうに城壁のようなものがありました。現地ガイドに聞くと古代ローマ帝国ディオクレティアヌス帝時代の浴場跡だということでした。「テルミニ」は「浴場」という意味だそうです。カラカラ浴場(2006年12月29日紹介)と共に古代ローマ時代の有名な浴場です。
以下余談話ですが、このように古代ローマ時代にはいくつもの浴場があり私は以前からローマ時代の人々は中、近世のヨーロッパ人に比べてきれい好き、衛生観念が発達していたと思っていました。たとえばレコンキスタを完成させコロンブスの航海を許可し、ユダヤ人とイスラーム教徒を追放したスペイン女王イザベルは「**めったに風呂にも入らず,ノミ、シラミをわかせながら、異教徒をスペインから一掃することに生涯を捧げた女性であった。(彼女の言)『キリスト教徒たる者は、むやみに水を浴びたり、風呂に入るものではありません。あれはモーロ人(イスラーム教徒)の風習ですから』」(このブログ2009年7月23日紹介)
ところが最近「古代ローマ時代の庶民たち」という本を読んでびっくりしました。以下この本の一部を抜粋紹介します。
「貴重な社交の場は浴場であった。***こすり落とした(垢)ものは浴場の整備係によって湯船にはき落とされ、***中には湯船でそのまま用を足していた***要は、どんな汚物、垢、体液、排泄物、そして細菌を人々が浴場に持ち込もうと、その浴場の湯はすぐに他の入浴者も一緒につかうことになったわけである」(p66~69)
というわけで私の古代ローマ人へのイメージは一変することになりました。