1999年10月5日吸血鬼ドラキュラーの舞台となったブラン城を訪れたとき、ご婦人たちがセーターを編んでいました。私は旅ではめったに物は買わないのですが、このときはなぜか血を吸われる心配よりは家庭を持たない私はアットホームを感じて購入しました。20年たった今もセーターとともに懐かしい思い出のシーンです。
老醜の紹介ではありません。紹介はこのセーターです。1999年ルーマニアで8ドルで購入した手編み純毛セーターです。齢を重ねるごとに冬の寒さが身にしみてきます。そしてこのセーターのありがたみを感じます。しかし、来年もこのセーターを着られる可能性はかなり低いようなので(地獄では着られません)飛び入り紹介をしておきます。
写真は世界遺産に指定されているルーマニアの5つの修道院の1つヴォロネツ修道院(1488年完成)です。有名なブルガリアのリラの僧院もそうですが、外壁に鮮やかなフレスコ画が描かれているのが特徴です。題材は勿論聖書ですが、中には歴史的事件もありました。
今回で「ルーマニア編」を終わりにします。(ドラキュラの生家など落としているところもたくさんありますが)最後にまったく些細なことですが、6年たった今も強烈に記憶に焼きついていることを紹介します。何処の町か忘れましたが、オープンカフェみたいなところでビールを1本だけ取って飲んでいました。そのテーブルに若い1組の男女がビールとつまみを持って来て座りました。私の前につまみがないのを見て、自分たちのつまみを勧めてくれました。これだけのことです。しかし異国の汚いジジイと同席すら嫌がられるのにつまみまで勧めてくれる今時の日本の若いアベックがいるでしょうか。なぜ彼らの写真を撮らなかったのか、いまだに悔やんでします。
今回の話、このブログの冒頭、すなわちこの「ルーマニア編」の最初に紹介したルーマニア人のホスピタリティーはルーマニアを象徴しているような気がします。 私は「広く浅く」がモットーなので海外旅行でも同じ国、地域を幾度も訪ねようとは思いません。しかしゴルノグラードからのマッターホルンを見るためにスイスと、美人が溢れ?牧歌的で人情実豊かな、安くておいしいワインのルーマニアには再度訪れたいと思います。
道端にテーブルを置いてビールを飲んでいるいる人がいたので話しかけてみるとドイツから来た鉱山探索師ということでした。平たたく言えば、一攫千金を狙う山師というわけです。以前この地方に金鉱山があったそうです。
面白いことにこの教会が観光名所になることで村人たちの礼拝の妨げになってきたので新しい教会を作ることにして、古いほうを観光専用にする準備をしているところだそうです。そこで内部にフレスコ画を描くためにただいま、おばさんたちが顔料製作中というわけです。(写真)
マラムレシュ地方(ウクライナと国境を接するルーマニア北部)はなかなか風情というか情趣に富む土地でした。 日本では木のお寺、神社は当然普通ですが、ヨーロッパでは木造教会は珍しくこの地方の観光名所になっています。ヨーロッパではポーランド、ノールウェーでも見かけました。写真の教会は1717年村人により建てられたものです。
通常お土産は自分自身の物でCD,チーズ、アルコール類に限られているのですが、ルーマニア旅行では小さい1メートル四方の絨毯を買いました。いま座っている椅子の下で6年たちますが綻びもせず健在です。なぜ買ったのか? それは写真をクリックしてみてください。
ネ お分かりでしょう。チビちゃんの持っていたのがいま我が家にあるというわけです。