ローマからジェノバまで鉄道で行き、ジェノバからフランス経由でモナコ公国へバスで移動しました。
ローマ出発の駅はイタリア最大のテルミニ駅でした。ボケた写真ですが駅の向こうに城壁のようなものがありました。現地ガイドに聞くと古代ローマ帝国ディオクレティアヌス帝時代の浴場跡だということでした。「テルミニ」は「浴場」という意味だそうです。カラカラ浴場(2006年12月29日紹介)と共に古代ローマ時代の有名な浴場です。
以下余談話ですが、このように古代ローマ時代にはいくつもの浴場があり私は以前からローマ時代の人々は中、近世のヨーロッパ人に比べてきれい好き、衛生観念が発達していたと思っていました。たとえばレコンキスタを完成させコロンブスの航海を許可し、ユダヤ人とイスラーム教徒を追放したスペイン女王イザベルは「**めったに風呂にも入らず,ノミ、シラミをわかせながら、異教徒をスペインから一掃することに生涯を捧げた女性であった。(彼女の言)『キリスト教徒たる者は、むやみに水を浴びたり、風呂に入るものではありません。あれはモーロ人(イスラーム教徒)の風習ですから』」(このブログ2009年7月23日紹介)
ところが最近「古代ローマ時代の庶民たち」という本を読んでびっくりしました。以下この本の一部を抜粋紹介します。
「貴重な社交の場は浴場であった。***こすり落とした(垢)ものは浴場の整備係によって湯船にはき落とされ、***中には湯船でそのまま用を足していた***要は、どんな汚物、垢、体液、排泄物、そして細菌を人々が浴場に持ち込もうと、その浴場の湯はすぐに他の入浴者も一緒につかうことになったわけである」(p66~69)
というわけで私の古代ローマ人へのイメージは一変することになりました。