父親の遺品にこのようなものがありました。「満州民衆風俗写真帖」とありますね。発行は昭和10年(1934年)で発行者は満州国新京曙町四丁目六番地三和公司ビル六号 大正写真工藝所新京営業部とあります。81年前ですね。
目次は
◎ はしがき ◎満州国地図 ①老人 ②旅行 ③黄塵萬丈 ④婚禮 ⑤街の印象
⑥一輪車 ⑦賣買人 ⑧家庭 ⑨宗教 ⑩貴婦人 ⑪娘々祭 ⑫小憩 ⑬苦力・労働
⑭ポピュラーレストラン ⑮貴賎 ⑯婦人 ⑰田舎 ⑱街へ街へ ⑲店舗の美観
⑳賣買人 21 街の賑わい 22 美人 23農家 24朝 25建築 26婦人労働
27田舎の両替店 28街の雑観 29馬車 30悲哀 31ジャンク
「はしがき」の一部を以下抜粋します。
「情緒豊かな満州の民衆風俗、これこそ見逃してはならない満州国の一面である」
様々な社会生活の紹介ですね。以上紹介してきたように現中国はユダヤ人の活躍を高く評価しているように思いました。
今回で「中国東北部5都市紀行」は終わりますが、次回付録として「旧満州に郷愁を覚える人のために」と題して「満州民衆風俗写真帖」を紹介します。
ハルビンには最大2万人のユダヤ人が住んでいたことがありました。そして1937年には日本の後押しもあって「ユダヤ人満州国家」建設の計画すらありました。いろいろ紆余曲折があり最終的にはユダヤ人抹殺を図るドイツとの日独伊同盟の成立により幻に終わりました。リトアニアでユダヤ人を救った杉原千畝は有名ですが(2005年12月13日紹介)この頃満州でのユダヤ人難民を救った樋口季一郎もイスラエルでは有名です。
というわけで1918年建立のユダヤ教の教会シナゴーグあり現在は博物館になっています。
なお、「ユダヤ人満州国家」や「樋口季一郎」などについては旅名人ブックス「大連と中国・東北歴史散歩」(386~389)に詳しく紹介されています。