ヨークを北上してしばらくすると写真のような標識に出会いましました。周りは人家の影は全くありませんが、車の土産物店が2軒ありました。これはスコットランドとイングランドとの境の標識と思いますね。ところが実はこのScottish Bordersというのはスコットランドの一つの行政区の名前なんです。でもやっぱりここはスコットランドとイングランドの境でもあるのです。しかし、わざわざこの標識があることはここからはスコットランドだと強調しているようです。この標識を見ていつも思うのは、イギリス領北アイルランドからアイルランド共和国を超えた時のことです。何時、その国境を越えたのかわかりませんでした。国境を表示する標識はありませんでした。(注)
スコットランドとイングランドの関係については2020年9月5日に少し紹介しているのですが今回は当地の観光パンフレットの一部を紹介します。「スコットランドはスコット族の国」という見出しです。
「日本語でいう『イギリス』や『英国』はすべて『イングランド』を語源としている。日本にこの言葉が入ってきた頃、イングランドが圧倒的な勢力を誇っていたので『グレート・ブリテン』イコール『イングランド』のように言われていたのも仕方のないことだが、スコットランドを訪れる前に『英国』(便宜上ここではこの言葉を使うが)が幾つかの国から成ることをもう一度思い起こしてほしい。
英国の正式名称はUnited kingdom of Great Britain and Northern Ireland。このうちグレート・ブリテンはさらにスコットランドとウェールズ、イングランドの3国で構成されている。なお、スコットランドが事実上「併合」されたのは1707年のことだった」
ついでにわたくしの蛇足を3つ。
旅行者にわたくしが尋ねるセリフの一つ”Where are you from?の答えはたいてい国名ですが、「スコットランド」と「バスク」の返答があったことがあります。「バスク」の時は少し聞き取りにくかったので根問いをしたところ「北スペイン」と答えが返ってきたことがありました。
サッカーの世界選手権ではスコットランド、ウエールズ、イングランド、北アイルランドと別々に出場します。
2014年にスコットランの分離独立の投票がありましたが、僅差で否決されました。
(注) イギリスのEUからの離脱で最大の問題点がアイルランド共和国との国境線の扱いのようです。