三島村誌によれば「日本国中に平家落人伝説を持つ所が、211ヵ所ある***しかし、これらの多くは伝説のみで遺物記録に乏しいのであるが、硫黄島を中心とする三島、十島は***資料も豊富」(p99)で信頼性が高いとしています。
すでに「黒尾大明神」「菅尾大明神」で少し触れましたが、以下それ以外の3箇所の平家落人伝説を紹介します。
一般の島人たちのお墓に混じって存在する平家落人たちのお墓と島人に信じられている墓地を訪れました。写真はこの墓地の入り口にある冥土への入り口の「三途の川」です。面白いですね。
黒島には昭和29年設立の新興宗教の施設もありました。6月14日にちょっと気になる赤い建物と紹介した施設です。三島村のホウムペイジには「島民たちが生きるためにいろいろな動植物の命を絶って食してきた罪を供養」とありますが、ガイドの山田さんによれば島民には此の宗教の信者は一人もいないとのことです。そこで村役場の観光担当の方に尋ねてみると此のホウムペイジの記述には少し違和感があるとのことでした。
本来は「大里に峻峰あり、冠峰といふ、其峰海上より直立して高く相聳ゆ、***此岳の絶頂に**屹然としてたつ」(「三島村誌」p233 三国名勝図会よりの引用)だったのですが標示板にあるように平成8年に冠岳頂上の崩落のため転移しました.
「三島村誌」(三国名勝図会よりの引用)に「当社の竃は、土製を用いず、石を積て造れり、土製は神の忌諱とす、往古平族当島へ遁下りし故にて、平家興復の世に非ざれば、土製を用ひずといえり」と記されているようにこの神社も平家落人伝説に関係づけられています。
この標識には祭祀は2月10日、11月11日とありますが、「三島村誌」および「三島村ホウムペイジ」によれば9月11日もあります。
「三島村誌」(三国名勝図会からの引用)には「祭時、島民社庭に集り、徹夜燎火を燃やし、酒宴をなす」(p234)と記されています。
また平家落人伝説との関連性が書かれていますが、ここ黒島にはそのほかいくつかその伝説が残っています。後日紹介予定です。
「三島村誌」には黒島の著名な神社として「菅尾大明神」「冠大神」「黒尾大明神」の三社があげられています。この方面に疎い私は三社の共通点として「祭神詳かならず」(祭神不明)に興味を持ちました。この菅尾大明神は片泊にあり、片泊の宋廟です。