果肉が赤いりんごといえば、御所川原りんご。
以前買ったことがあります。
このりんごは、とっても小ぶりで酸っぱい味。果肉は柔らかめ。
私は好きですが、加工用を念頭においた品種のようでした。
ほかにもあるなんて、考えてもみませんでしたが、りんご王国長野県では、何種類もの赤肉りんごが開発されているようなのです。
そのうち2種が手許にあったので、レポートしてみます。
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ひとつは「なかの真紅」。(ラベルに「なかのの真紅」と書いてありますが「なかの真紅」のようです) もうひとつはムーンルージュ。 なかの真紅は上野駅構内の信州物産屋台みたいなところで購入。 ムーンルージュはmiyakoさんから頂きました(miyakoさんありがとうございます!)
なかの真紅は、大きくて赤いりんご。 この写真ではそれほどでもありませんが、表面がてかてか、ベトベトしていました
ムーンルージュは、黄色とピンクがいりまじった、おぼろ月のような色。 ムーンルージュはなるほどという命名です。
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なかの真紅は、まあ比較的普通の形状・色の赤いりんご、でしょうか。
ムーンルージュは、とっても横にふくらんで、しかもごつごつしています。 日本のりんごにしてはちょっと珍しい形状。たまたまでしょうか。
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なかの真紅をカット! 表面の皮のすぐ下は白っぽいですが、内側に、ローズ色のもやもやがあります。む。
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店頭展示では、もっと真っ赤だったのに~・・・。無念。 どういうのを選んだらこんなに真っ赤なんだろうか。 (びっくりするような値段でしょう?) このくらい赤いのを期待して厳選して1個買ったんですけどね・・・・。
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ムーンルージュは、皮のすぐ下から色がついています。 皮がピンクなのは、中の色が透けているからかも。 芯のあたりは白く、皮に近いほど赤い感じです。 この赤の色は、なかの真紅とは違って、オレンジ色を帯びています。
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ふたつ並べてみると、赤い色合いが違いますよね。 なかの真紅はローズピンクで、ムーンルージュはサーモンピンク系です。
味見。 なかの真紅は、うー、甘さと酸味のバランスはよさそうなのですが、いかんせん、味が薄くてふかふか。 鮮度のせいか、ボケかけのりんごでした。 本来の味はどうなんでしょう。お店の人によれば、みかんみたいな風味がする、とのこと。 みかん? 赤いものって、アントシアニン系のベリー味がしたりすることがありますが、みかん?
ムーンルージュは、個体差がありますが、ベストのものは、果肉がとってもしゃっきり! 甘さと酸味があって、とても美味しいりんごです。 縦切りの写真では分かりませんが、輪切りにするとスポット状の蜜が入ることがあります。 (参考サイトの写真を是非見て下さいませ) そして、ほのかに、にんじんのような、スイカのような風味がふんわりと。 (ベリーではない) シャキッとしたムーンルージュは、ぜひおすすめしたい美味しさでした。
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ぼけりんごのなかの真紅、半分は加熱してみることに。 レモン汁と砂糖少々をふりかけてチンして、簡易ジャムに。 煮るとピンク色が全体に沁みわたり、綺麗な色のジャムになります。 味は、りんごジャムの味。みかん風味は特にないです。 果肉は比較的煮とろけやすいタイプのようです。
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店頭にはもうひとつ、なかののきらめき という赤肉りんごが。 このとき、黄色いみかけから、「家にあるのと一緒かも?」と思って買わなかったのでした。 (でも家にあったのはムーンルージュ。記憶力が悪いこと) お店の人によると、こちらはチェリーのような風味、ですって。 参考サイトによると、一番酸味がある品種がこれ、とか。 うー、買ってみればよかったかも。酸っぱいりんご、好みなのにな・・・。 また来年あたり、もう少しお手頃価格で出会えるといいな・・・。
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■参考情報
信州産の果肉が赤いりんご なかの真紅、ムーンルージュ、炎舞、いろどり、なかののきらめき
どれも、通常の生食用同様の大きなりんごです。
いつか食べてみたいものです。
開発者吉家さんの談話
御所川原りんご (青い杜の片隅から)
御所川原りんご当ブログ記事
青森県五所川原市特産の品種。個人の育種家の前田さんという方が開発した品種をもとに育成されたそうです。
紅の夢
弘前大学(青森県)で開発された品種。
酸っぱいりんごらしいので、いつか買ってみたいです。
恋栞
長野市の田中農園の田中さんが個人で開発した品種で、ここでしか販売されていないようです。
芯まで濃い赤色で、煮ると赤ワイン煮みたいになるほど。
来年は買ってみたい!
バヤマリザ Baya®Marisa
ドイツバイエルンの民間企業Bayerisches Obstzentrum社が開発した品種。
芯の近くまでかなり濃い赤色です。花は濃いピンクで紅梅みたい。
名前の、Bayaに(R)がついているけれど、Baya-Marisa(R)とかにしなかったのは何故だろうか・・。
(姓名みたいに2単語の名前の品種名って珍しいですよね。バヤ・マリザ(バヤ・マリサ?)と書くべきなのかしら)
このりんごで作られたピンクのシードルが、来春あたり、日本にデビューするようです。
バヤフランコニア Baya®Franconia
バヤ・マリザと同じ、バイエルンの会社の開発した品種。
皮に近いところだけが濃い赤色で、内側は放射状に白く抜けた2色のりんごです。
このギザギザの紅白の模様がフランケン地方(フランコニア)のシンボル(紋章や旗)を思わせるので、バヤ・フランコニアと名付けられたとか。
イギリスのりんご品種データベース『Orange Pipin』
(イギリスとアメリカのそれぞれ個人サイトを融合してグレードアップしたという経緯があるようです)
欧米圏には数えきれないくらいの品種があるようです。
しかも、まだまだ新品種も作られていて、すごいですよね。
新品種開発の観点のひとつとしてはりんごアレルギー対応。日本ではあまり問題になりませんが、特に生りんごにアレルギーがあるひとがいるようです。
イギリスとアメリカではりんごの好みが違うようです。
生食用に関しては、イギリスでは甘さも重要だけれど複雑な風味が好まれて(味や香りの形容に、梨やパイナップル、マンゴー、アニス、蜂蜜などという言葉が出てきます)、アメリカでは甘いりんごが好まれる模様。
加熱りんごに関しては、イギリスのみ、とろけるタイプが圧倒的に好まれ(ブラムリーが主流)、アメリカやフランスでは形が残るタイプが好まれるようです。
イギリス人にとっては、生食用はコックスオレンジピピンが、「心のりんご」のようです。このりんごの外見は、斑入り。そのせいか、ふじの斑の入った外見を「美しい」とえらく褒めていました。
ピンクレディのようなぺったり均一な色合いのりんごはあまりほめていません。
(私自身は、斑入りより均一カラーの方が綺麗かなーと思っていました・・・)
特にイギリスでは伝統りんご至上の風潮が根強くあるようですが、このサイトでは、ニュージーランドの現代りんごジャズ(品種名Scifreshサイフレッシュ)をとても褒めています。「とても強い甘くシャープな風味とはっきりしたフルーティな梨の香り(pear-drop note)」で、「匹敵する伝統りんごは思いつかない」とまで。
ジャズは最近日本でも買えますよね。この夏買って、パリパリで美味しいなーと思った記憶がありますが、梨の香りだったかどうかは・・・。また来シーズン(夏とか)、買ってみよう☆