2019年11月にマレーシアに行ったときの記録です。
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今回の旅行の目的のひとつがイスラム美術館。
前も行きましたが、宝物がどっさりで、まだまだ見足りなかったのです。
今回は、朝から出かけてきました。
入館したのは、昼ちょい前だったかな。
しばらく見てから、ランチは美術館のカフェテリアにて食べて、また午後も見学。
閉館時間ぎりぎりまでずっといました。
ミュージアムショップがまた見ごたえがあって、時間が足りなかった・・。
ぜひともまた行きたいです。
展示してあった写本関係のものをいくつかご紹介します。
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本の表紙。 革製で、立体的なつる草模様がつけてあります。
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写本の最初の方のページに、見開きの豪華な装飾ページがあります。 そこの縁取り模様がもう、驚くような細かさときれいさ。 どうやって描くのか知りたい・・・。
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図案の作成には、ある程度の法則性があるとは思いますが、最終的にそれを紙に描くのは人間の作業ですよね。 中高年には、見るのも厳しいほどの細かさ。 周囲の金色の帯状の部分、および中央付近の金色の面積が広いところは、尖ったもので点々とつけた押し模様がついています。 金箔の接着を強くするためと、あと、美的な効果のためもあると思います。 何時間くらいかかるんだろう・・。
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繊細な花の模様。 こういう細い線は、ペンのようなもので描くのかなあ。筆ではないですよね。
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金と青、赤、カラフルな中間色に加え、黒のラインが印象的です。
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金箔がびっちり。 予算が高い場合は、金箔もまた沢山使われるようです。
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うねうねした網目模様がすごいなあ。
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こちらは、これまでのものに比べるととってもあっさりに見えます。
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本の判型が小さくなると、模様はその分少なく(シンプルに)なるのではなく、縮小コピーしたかのようにさらに細かくなっちゃってます。 もう、「参りました」というしかない細かさ。
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上の写真の本の右下隅を拡大して撮ってみました。 まったく手抜きのない細かさがすごい・・・。
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写本の挿絵ページもたくさんあり、見ごたえがあります。 これは、白い紙にセピア色の線描と、淡い色の彩色で、ゴールドの装飾。 色がない(ごく淡い)のがちょっと珍しいと思いました。
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通常の挿絵は、カラフルに色付けされています。 藍色の空に星が点々とあって、夜のシーン。 砂漠にテントが張ってあり、騎馬での戦闘が始まるところのようです。 ペルシャのものではないかしらん。
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空は金箔が貼ってあり、昼のシーン。 ヒゲのある年配の戦士が、若い戦士を刺したところかな。 若い戦士は兜が脱げてぼうず頭が見えています。諸肌を脱いで誰かに抱え上げられている様子。 どの物語の挿絵でしょうか・・・。 顔つきがひかくてきあっさりして、似通っているので、ペルシャのものじゃないかと思います。
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こちらは(おそらく)ムガール朝インドのもの。 ムガール朝になると、顔がリアルになるのだそう。衣装だけでなく顔も、インド人的ですよね。
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描かれている人よりも、この周囲の花が素敵だな・・・。
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オスライオン二頭が争っているところ。 たてがみの描き方がイラスト的な模式化された感じ。 手前の濃い色で描かれた植物も、模式的な感じです。
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アラビア文字の書体はいくつかあり、書家は大変尊敬される職業なのだとか。 これらはおそらく同じ単語を別の書体で書いたもの。 例えば『シャー・タフマスプのシャーナーメ』はナスターリク体で書かれているそうです。
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