トベラの実
<トベラ科トベラ属>
暖地の海岸に見られる常緑低木。
根に臭気がある。
葉は枝先に集まり、
長楕円形で表面に光沢がある。
雌雄異株。
春に
芳香のある白花を集散花序につける。
花は後に黄色くなる。
果は球形で三つに裂け、
赤い粘った種を出す。
シモバシラの花
<シソ科シモバシラ属>
山地の木陰に生える多年草。
枝の上部の葉のわきに、
片側だけに花をつけた総状花序をだし、
白色で小形の唇形花をたくさんつける。
冬になると
枯れた茎に霜柱のような氷の結晶ができるので、
シモバシラの名がある。
☆冬場のシモバシラの根に出来た氷の結晶
一度、見てみたいなとずっと思っている
(画像はお借りしたものです)
コナラ(小楢)の実
<ブナ科コナラ属>
日当たりのよい山野に見られる落葉高木。
樹皮は灰黒色で、
縦に不規則な裂け目がある。
葉は有柄で互生し、倒卵形または倒卵状長楕円形。
先は鋭くとがり、
基部はくさび形または円形で、
ふちにはとがった鋸歯がある。
裏面には星状毛と絹毛があり灰白色。
花は
雄花序は長さ6~9センチあり、
本年度の下部に多数垂れさがる。
雄花は黄褐色で小さく、
花披は5~7裂し、雄蕊は4~8個ある。
雌花序は短く、
本年度の上部の葉のわきからでる。
雌花は1~2個または数個つき、
総苞に包まれている。
堅果は楕円形または円柱状長楕円形で、
下部は小さな鱗片状の総苞片が瓦状にびっしりついた殻斗に覆われる。
<俳句歳時記>秋
柞(ははそ)
<柞紅葉・楢・小楢>
湯けむりに柞もみぢの薄れける 今井 千鶴子
藁草履ははそ紅葉をひつかける 西野 文代
楢山に楢の実青く飛んで雨 木村 蕪城
をんな出て切り口上やならもみぢ 小島千賀子
柞降る針打つ音の夜明けまで 児玉 悦子
ゲンノショウコの花
<フウロソウ科フウロソウ属>
原野に自生する多年草。
葉は掌状に分裂、葉面に暗紫色の斑点がある。
茎葉ともに細毛がある。
紅紫色~白色の花5弁の花を咲せ、果を結ぶ。
茎葉は下痢止め・健胃に有効。
果実の炸裂した形が神輿の屋根に似ているので
ミコシグサの名がある。
↓ゲンノショウコ(赤)
<俳句歳時記>夏
現の証拠(げんのしょうこ)
<医者いらず・たちまちぐさ>
あゆめばぽつりげんのしょうこはあかい花 山下 淳
兵の屍かげんのしょうこの朱の花びら 大友 力生
通り雨ありたる現の証拠かな 右城 墓石
げんのしょうこから夕闇の子守唄 高野ムツオ
ゴンズイの実
<ミツバウツギ科ゴンズイ属>
山地に生える落葉小低木。
樹皮は黒褐色で灰褐白色の皮目が多く、
縦に不規則に割れ目がはいる。
葉は奇数羽状複葉で対生する。
小葉は狭卵形で、ふちに細かい鋸歯がある。
春に
枝先に円錐花序をだし、
淡黄緑白色の小さな花を多数開く。
果実は
半月状の袋果で赤く熟し裂けると、
光沢のある黒い種子が現れる。
サネカズラの実
<モクレン科サネカズラ属>
別名(ビナンカズラ)
山野に生える蔓性植物だが庭にも植えられる。
枝には粘液が多い。
葉は互生し、長楕円形。
8月頃、
淡黄色の厚みのある花が垂れ下がってつく。
花弁と萼片もともに淡黄色。
雌花は、花後に球状にふくらみ、
球形の赤い実になる。
☆昔はこの枝皮の粘液を水に溶かして髪を梳った。
<俳句歳時記>秋
美男葛(びなんかづら)
<真葛(さねかづら)>
悔い多し美男葛の実を数え 小堀 香珠
実葛青年海を見て下山 蓮田 双川
一詩人腕拱きぬさねかづら 森田 峠
たそがれの堂拭く素足さねかずら 三木 聆
ムシカリ(オオカメノキ)の実
<スイカズラ科ガマズミ属>
深山に生える落葉低木。
枝は紫褐色で、横に広がる。
葉は対生で卵円形。
枝先から散房花序をだし、
小さな両性花をつけ、
ふちを白い装飾花がとりまく。
核果は球形、または楕円形で、赤から黒に熟す。
スダジイの実
<ブナ科シイ属>
幹はまっすぐに育ちこんもりと茂る。
樹皮は黒褐色で縦に割れ目が入る。
葉は厚みがあり、裏面は灰褐色の毛が生えている。
雌雄同株で、
春に雄花は長く垂れ、雌花は上向きにつきます。
花には甘い香りがする。
花が咲いた翌年の秋に
厚い殻に全体が包まれている。
熟すと先端が三つに割れて実が現れ、
食べられる。
<俳句歳時記>秋
椎の実(しいのみ)
椎の実が降るはればれと愛されよ 藤田 湘子
椎の実のころがりゆきて木と無縁 津田 清子
昏るる韻ありとせば降る椎の実の 杣木 紀子
椎の実降るウサギ子狐あつまって 鮫島 康子
クヌギの実
<ブナ科コナラ属>
(橡・櫟・椚)
山地に生える落葉高木。
樹皮は灰白色で厚くて、縦に不規則な裂け目がある。
葉は互生し、
長楕円状披針形で、ふちには針状の鋸歯がある。
春に、本年枝の下部から
黄褐色で長さ7~8センチの雄花序を垂らし
上部の葉脈に雌花序をつける。
堅果は翌年の秋に成熟し、
直径2センチほどの大きな実で、
下部には椀形の殻斗に包まれる。
<俳句歳時記>秋
団栗(どんぐり)
<櫟(くぬぎ)の実>
咳よりもはやく団栗落ちきたる 米沢吾亦紅
どんぐりの山に声澄む小家族 福永 耕二
どんぐりや青剃坊の掌 赤尾 兜子
団栗のつぶて悪童いでてこよ 細谷 鳩舎