熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

野口悠紀雄教授・・・クラウドとグーグル・フォービア

2010年07月21日 | 経営・ビジネス
   最近、やたらと、ITC関係のセミナーで、クラウドと銘打ったセミナーが多くなった。
   従来のコンピューター利用は、企業などユーザーが、コンピューターのハードウェア、ソフトウェア、データなどを、自分自身で保有・管理して居たのに対して、
   クラウドコンピューティングでは、ユーザーは、インターネットの向こう側からサービスを受け、サービス利用料金を払う形になる。ユーザーが用意すべきは最低限度の接続環境のみであり、ハードの賃貸のみならず、必要なソフトも、サービスを提供する企業が用意してくれ、要するに、使っただけ使用料金を払えば良いだけなのだから、急成長しようと景気が波を打とうとも、どんなに事業環境が変わろうとも、コンピューターのキャパシティや、ICTシステムの成長発展などを心配する必要がないので、非常に有り難い制度であろう。
  
   しかし、問題は、ソフトもハードも一切外部の企業に任せるのであるから、ユーザーのコンピューター上の情報やデータが、総て外部に出てしまうので、そのセキュリティや漏洩が、ユーザーにとっては死活問題となる。
   尤も、サービスを提供する企業が、ユーザー企業にとって必須な秘密情報やデータなどは、自前のコンピューターシステムで維持管理し、それ以外をクラウドにすると言うハイブリッド・システムを提供するなど、秘密情報の処理などには万全を期すと言うのだが、日本企業には、大事な業務を外部に委託するなど言ったことに対して、それも、情報を扱うので、ICTシステムのクラウド化には、根強い抵抗がある。

   インターネットなど多くの通信情報は、既に、当初から、エシュロンで傍受されていると言うのは公然の秘密で、いずれ筒抜けになるのであろうが、このクラウドコンピューティング・システムなどの活用如何が、世界のICT競争力を決しているようで、世界フォーラムの発表では、ブロードバンド環境や最先端の器機を誇っている日本の筈だが、国際競争力比較では第21位と惨憺たる結果に終わっている。
   このコンピューティング等のICTシステムでも、日本企業は、自前主義が根強いと言うことであろう。

   野口悠紀雄教授は、「企業の競争力を高めるクラウドの可能性」と言う講演で、日本企業にとっては、このクラウドに対する企業の姿勢が問題で、社内の重要情報をクラウドに載せられるかどうか、そして、日本型の企業文化との親和性があるのかどうか、供給者の競争の確保の問題なども含めて、疑問を呈していた。
   このクラウドを、単なる技術の問題として見るのではなく、GPT,すなわち、あらゆる部面で必要な電気と同じような技術GENERAL PURPOSE TECHNOLOGYとして受け入れるべきで、基本的なものの考え方そのものを、根本から変えない限り上手く行かないであろうと説いていた。

   所謂、グーグル・フォービアで、自分自身の恐怖症克服について、グーグルのgmailの活用について語っていた。
   gmailを通じて、自分自身の情報処理を行えば、完全に、その情報やデータは、グーグルに筒抜けなので、当初は心配したが、活用しないよりは、活用した方が、メリットが大きいと感じて、今では、外部への原稿送付などは、総て、gmailで行っていると言う。
   記録として残るのみならず、資料データの保存にもなっていて、検索すれば、総てが、適時適切に表示されると言うのである。
   ところで、野口教授は、超整理法など整理に関する本が多いが、これらの本の目的は、整理の達人になるための本ではなく、如何に整理をしないですむかと言う方法を語っているのだと言っていたが、このgmailこそは、その究極の手段なのであろうか。
   
   私自身は、この野口教授の話を昨年聞いて、gmeilを開いたのだが、他にも、二つメールアドレスがあって、長年続けているので、まだ、gmailには、移れて居ない。

   ところで、私の資料の整理だが、著述家でも学者でも何でもないので、その必要がないのだが、幸いなことに、この私のブログ「熟年の文化徒然雑記帳」が、非常に役に立ってくれている。
   このブログを始めてから6年目に入っており、もう少しで、2000日目に入るのだが、投稿した記事は1500篇をはるかにオーバーしているのだが、総てが、そのままの形で保存されている。
   カテゴリーの項目をクリックすれば、そのカテゴリーに関する過去の記事が総て出てくるのだが、もう少し、絞り込みたい時には、このブログのページの一番右上の欄外に検索の扉があって、ここに、例えば、「ドラッカー」と書き込んで、となりのウェブのところを、「このブログ内で」に変えてクリックすると、私の書いたドラッカーについての記事が総て表示される。
   グーグルのように、複数の項目を書き込む検索などは駄目で、時には、検索で出てこない記事もあるが、論文やエッセイなどを書く時には、この方法で過去の記事を引き出して、活用している。
   これも、私にとっては、クラウドコンピューティングの活用だと思っている。
   著作者でもない私のブログ記事を、毎日、500人近くの人に読んで頂けるのも、gooの提供してくれるクラウドあっての幸せだと感謝している。
   
コメント
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