熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

アンテルプレナーへの道・・・アベグレンのオマージュ

2006年07月15日 | 経営・ビジネス
   迂闊にも知らなかったが、秋田に「国際教養大学」と言うユニークな大学が設立されていて、外国人教員も多く、完全に英語で授業が行われていると言う。
   この学校の「企業化リーダーシップ研究育成センターCELS」が、野村ビルのパソナ本社で、「地域経済でアントレプレナー環境を育む」と言うフォーラムを開いたので聴講した。
   中々充実した素晴らしいフォーラムで、途中、日経ホールでのアレックス・カーと木村尚三郎氏の話を聞きたくて中座してしまい、パソナの南部靖之社長の基調講演やMOTの早稲田大学松田修一教授の話など聞きそびれてしまったが、最初から聴講し、最後のなまはげが出演した懇親会まで出て、久しぶりに、ビジネス・スクールの学生に戻ったような気がして、コロラド大学のアントレプレナーシップセンター所長のポール・ジャーディー教授と話し込んでしまった。

   聞くところによると、創立間もないと言うのにこの大学への入学難易度は、東大京大に次ぎ一ツ橋より高いと言うが、文部科学省さえ無意味なガイドや規制さえしなければあり得る話であると思った。
   先にイギリスへの1年留学を義務付けている秀明大学と同じように、この大学も、卒業までに1年間、交換学生制度のある提携外国大学での勉強を義務付けているようであるが、素晴らしいことである。駅前留学NOVAとは、桁違いの差である。
   とにかく、知の集積である大学を自由に泳がせ、偉大な日本人に発想豊かに活躍できる場を与えれば、日本の教育界が目覚めたように活性化することは間違いない。

   冒頭、ほんの15分程度の短い開会講演であったが、ジェームス・アベグレンが、日本のアンテルプレナー教育へのオマージュを語った。
   日本の経済回復は間違いないと言って、最近の1円企業の設立などの法制度の整備や起業への意欲の高まりなど良い環境が出来つつあると語りながら、英語の所為かテンションの高いスピーチを行った。
   アベグレンが日本企業の研究やコンサルタントをしていた時代には、企業と大学が接触することはご法度に近く殆どそのような例はなかったが、今日では、産学協同は勿論、産官学の協同を政府自ら積極的に進める時代になった。
   大学改革によって、大学間の競争が激化し、大学発の起業も活発となり、デフレ脱却、経済が成長軌道に乗ったこの時期は、正に起業のチャンスで、アンテルプレナーの活躍のための絶好の機会である、とアベグレンは発破をかける。

   今回のこのフォーラムは、登場したスピーカーも多彩だが、共催者が日経、貿易研修センター、後援が経済産業省、秋田県、秋田市、協賛がパソナと東京海上キャピタル、正に、産官学協同であり、私自身は素晴らしい傾向だと思った。
   昨今の世相を反映して、場合によっては産官学の協同に対して、政官財の場合のように癒着を心配する向きもあるが、欧米では当然のことで、大使館の商務官などは企業の為に積極的に営業活動を務めるし密接な関係など当たり前である。
   要するに、後は、モラルと使命感、企業倫理の問題である。

   アンテルプレナー精神に富んだイノベイティブな、そして世界に通用する本物の若者を育成しようとしている壮大な夢を持った国際教養大学の将来に期待したいと思う。
   

   
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