ホンダと日産自動車が経営統合を検討しているというニュースがメディアを駆け巡っている。
産経の記事は、「ホンダと日産、苦境の統合協議 「助け舟」か「どろ船」か、難しい損得勘定」と言うタイトルで、現状の問題点を如実に示している。
持ち株会社を設立し、それぞれの会社を傘下におさめる形で経営統合する想定で協議を進めるもようだ。両社は8月に次世代の電気自動車(EV)などの技術開発の協業で合意しており、統合でより大きな相乗効果を発揮できないかを探る。ただ、販売低迷による日産の業績悪化で統合協議の行方は予断を許さない。 と言う。
これを反映して、株式市場は、後場寄り付きで、日産は「ストップ高」で、417.6円、ホンダは、一気に値を下げて、1,242.5円(-3.19%)
トヨタは値を上げて、2,718.5円(+1.72%)
窮地に陥った日産が、ルノーに救われたのはずっと昔の話、
自動車王国のドイツでさえ、フォルクスワーゲンが経営不振にあえいでいる状態であるから、欧米先進国からの白馬の王子は期待できず、ハゲタカの餌食になる不安さえあったのであるから、ホンダのアプローチは千載一遇のチャンスである。
問題は、日産を統合して新会社を順調に経営して行ける能力と体力がホンダにあるかどうかであろう。
私は、建設会社のオランダ現法の社長であったので、幸い、日産の欧州本社や倉庫などの建設に携わったので、当時、破竹の勢いでヨーロッパに進出して盛業を謳歌していた日産をよく知っている。
その後、日産を良くしたのも悪くしたのも、カルロス・ゴーン。
サウジアラビアで仕事をしていたので、レバシリ・オリジンのビジネスマンが如何に熾烈で利に敏いか、ブラジルにも長かったので、ラテン資質のビジネスのモラル軽視や無軌道さなどもよく知っているのだが、ゴーンは謂わばこのレバノンとブラジル両因子の申し子。
技術技術で、最高の自動車を追求し続けてきた日産には、このような異分子の経営には免疫がなかったと言うことか。
全く私事ながら、日産のファンで、20年以上も持ち続けていた塩漬けの日産株を、先日、泣く泣く節税にと思って損切売却した。
今日のストップ高で、2割ほど損をした勘定だが、これも、人生、面白いものである。
ついでながら、大暴落を続けているホンダ株を、まだ下がると思ったが、2単位買い増した。日産への応援である。ホンダが傾くようなら、日本はもう終わりだと思っている。