熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

関西小旅行(1):桜通り抜け、そして、なんばグランド花月

2013年04月18日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   国立文楽劇場の四月公演を鑑賞するために、2泊3日の小旅行をした。
   朝11時から夜8時半くらいまでの文楽を観るためには、千葉からでは飛行機でも、2泊しないと駄目である。
   朝早く出て、帰る日は夕方の遅い便にすると、両端の2日は、京都や奈良くらいには足を延ばすことが出来る。

   この日は、文楽が近松の作品を扱っているので、大阪の近松所縁の故地を訪ねてみようと思っていたのだが、大阪の造幣局の桜の通り抜けが始まったと言うので、まず、先に空港から出かけようとした。
   関西人であり、極近くの天神橋近くの本社に通っていたにも関わらず、この造幣局の桜の通り抜けを見たことがなかったので、今や関東人であるから、野次馬根性を出して行ってみることにしたのである。
   
   空港の案内所で、どう行けば早いのか聞いたらJRの天満だと言って、地図付きの大阪の観光案内パンフレットをくれた。
   私の感覚では、もう少し近い方法がありそうだと思ったので、JRの大阪駅で聞いたら、環状線を京橋で東西線に乗り換えて、大阪城北詰で下りれば良いと言うことで、これに従ったのだが、この線は、京阪奈から尼崎方面に直結していて便利になっている。
   この電車に乗り換えた時に、昼前だったので、女性専用車に乗ったのだが、乗客は女性ばかりで、朝特定の時間だけの東京とは違って、大阪では一日中とかで、恥をかいて慌てて別の車両に移った。
   ところで、この造幣局の通り抜けの会場に行くには、京阪か地下鉄の天満橋からの方が便利なようで、良く知っていた筈の大阪も長い間離れていると勘が鈍ってしまうようである。

   会場は、造幣局の南側から、大川に沿って北側へ640メートルで、道の両側には、豪華に咲き誇る八重桜のトンネルが続いていて壮観である。
   かなり種類が多いようで、ブーケのように豪華でたっぷりとした塊もあれば、滝のようにしだれた巨大なピンクのパラソルのようなものもあれば、淡い緑色を帯びた清楚な花びらの集合であったり、良く見れば、夫々の様子が違っていて、結構花見で慣れている筈の私でも知らない種類が結構沢山あって、流石である。
   観光客でごった返しているので、スムーズに動けないし、中々思うように写真が撮れないのだが、結構、外国からの観光客が多いのにびっくりした。
   
   

   丁度、NHKのカメラが入っていて、女性アナウンサーが、桜の中継放送をしているところだった。
   女優やタレント並みに写真を撮る客が多かったのだが、私も横から見ていたのだが、録画も中々大変である。
   
   

   結局、一寸見に出かけた筈の桜見物で時間を取ったのだが、ホテルが宗右衛門町なので、久しぶりに吉本の漫才と新喜劇を見に行くことにした。
   漫才にオール阪神・巨人が、そして、新喜劇も辻本茂雄が出ると言うことだし、大体、NHKの「バラエティー生活笑百科」を見ているので、面白いと思ったのである。
   非常に人気が高くて、一階席の端の席をやっと取れたのだが、二階の後方を除いて殆ど満席で、高校生の団体も入っていたのだが、東京の歌舞伎や文楽、能・狂言の団体鑑賞と同じなのだろうかと思った。

   漫才のメッセンジャーが、「大阪のおばはん」をテーマにして、沢山、大阪の婦人客が来ていたのだが、笑わせていた。
   東京の落語でも、枕にして、観客の中年以上の女性、すなわち、おばさん連中を話題のネタにすることが結構あるのだが、「大阪のおばはん」は、正にそのものが、笑いの格好のテーマなのであろうか、とにかく、面白い。
   しかし、良く考えてみれば、私の青春時代のマドンナは、故郷の阪神間など関西であったから、今や「大阪のおばはん」の仲間入りかも知れないと思ったのだが、何故か、そんな筈はないと、無理に、甘酸っぱいあの頃の思い出に引き戻して、久しぶりに懐かしさに浸っていた。

   落語の「月亭八方」は、その先日に新聞に出た、”「突然死の兆候」人間ドックで不整脈見つかる”を題材にして、人間ドックの経験談を語って笑わせていた。
   前日まで、桂文珍が舞台に立っていたようだが、一度聞いてみたいと思っている。

   オール阪神・巨人は、巨人のお母さんの失禁話から、尿漏れをテーマに面白い話を語っていたのだが、なぜここまで展開できるのか奇天烈ながら、テレビの日本昔ばなしの懐かしい語り口や、百貨店のウグイス嬢の語りから、そのバリエーションの語りの妙は流石で、やはり、話術は実に上手いと思って聞いていた。
   それに、相槌の打ち方や話の間合い、丁々発止の受け答えなど、あの間髪を入れずに、殆ど内容のない話を軽妙洒脱なリズムとタッチで語り継ぐ話術の冴えは、誰も真似が出来ないのではないかと思う。

   吉本新喜劇は、題名も何かは覚えていないし関心もないのだが、前に見た舞台と殆ど同じで、旅館を舞台にして、親の決めた相手を拒否して、結婚を反対されて逃げている若いカップルをテーマにしたり、旅館や人間関係や恋の揉め事などを絡ませて、主人公の辻本茂雄がかき回すのだが、最後はハッピーエンド、毒にも薬にもならないような話で、元気溌剌な若い吉本の喜劇役者が、舞台狭しと暴れまわって派手な演技を披露する。

   ところで、吉本のこのなんばグランド花月の3時間足らずの舞台だが、とにかく、面白い。
   しかし、素晴らしいものを見たとか、役に立ったとか、ためになると言ったことなどは、さらさらなくて、笑い飛ばして終わりの娯楽で、4500円は高いと思うのだが、また、それでも、出かけて行く。
   私の前に座っていた若い女性が、最初から最後まで、私にとっては全く面白くもおかしくもない事でも、笑い続けて笑い転げていていたので、病気ではないかと思って、背もたれをつついたら、普通に戻ったのだが、とにかく、結構追っかけに近い感じの大阪人ファンが多いことに気づいて、吉本の人気の凄さを感じさせられた。
   劇場の玄関前では、吉本のキャラクター人形と一緒に写真を撮る若い客が引きも切らない。
   東京にも、こんな寄席などがあるのかは知らないのだが、この千日前近辺の熱気は、一寸、特筆ものかも知れない。
   
   
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