熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

家具業界に革命・・・イケア日本に上陸

2006年08月18日 | 経営・ビジネス
   4月に、船橋の屋内スキー場跡地がイケアの日本上陸第1号店に代わったと聞いていたが、やっと、このお盆休みに出かけることにした。
   1985年から、オランダとイギリスに住んでいた時には、必要に応じて出かけて行って、組み立て家具を買うなどイケアのことは良く知っているので、別に目新しいことでもないと思っていたのである。
   現に、何点かの家具は、イケアで買って、イギリス家具と共に持ち帰って来て今でも重宝して使っている。

   ところで、我が家には、色々な家具が混在しているが、大半の大型家具は、結婚の時、移転の時等の特別な時期は別として、何らかの形で、百貨店や業界等の家具の大展示会や大売出しの時に特別価格で買っている場合が多い。
   とにかく家具については、価格が不透明で高すぎると言う印象を持っていて、特に気に入った時以外はマトモナ値段で買う気はしなかった。
   そんな時、それも、今では昔の話であるが、大塚家具が会員制度を導入して家具を安く流通させ、家具業界に一石を投じた。
   大変な嫌がらせと妨害があったと聞いているが、いくらか正貨で買う気になれたのは革命的であった。

   イケアのビジョンは、
   「優れたデザインと機能をお求めやすい価格で」と明確に示されていて、文句なしに納得し、ヨーロッパで付き合ってきた。
   とにかく、必要な家具は、ショウルームで見て確認して、組み立てキットのように分解されてコンパクトにパックされた商品を倉庫から取り出してレジで清算して持ち帰り、簡単に組み立てて使用する。それだけだが、実に安くて機能的で、仮住まいの我々には有難かった。
   もっとも、ヨーロッパの家具に対する嗜好は、価値ある家具を何世代に亘っても使用する骨董趣味的な要素も強いが、斬新なアイデアとデザインに特別な魅力を感じて使用するヤング達も多くて、利便性と安さと機能性を満足させてくれるイケア家具の人気は高かった。

   久しぶりにイケアの店に出かけた訳であるが、サービスやシステムの根幹は何も変わっていなかったし、店全体は誠実そのものの雰囲気で、スウェーデン商法の素晴らしさを改めて感じた。
   ホームファニッシング関連の製品が、広大な2フロワーのショールームに所狭しと展示されていて、次から次へと変り行く商品を、あたかも博物館を回遊するような形でツアーしながら見て行くのだが、あっちこっちに斬新なアイデアが充満していて色々な発見があって実に楽しい。
   今回特に印象的だったのは、家具類や室内インテリアは勿論のこと、時には台所用品のような小物まで、商品のデザイナーが顔写真入で紹介されていたことで、その誠実さに感じ入った。
   素晴らしいデザインの、そして、質の高いホームファニッシングを、誰の手にも届く様な手ごろな価格で提供すると言う言い得て妙な戦略を実現するのは並大抵の努力では出来ない。しかし、それをやっているのがイケアである。

   お客さんの大半は、若い子供連れの家族であって、これほど、若い人々で溢れかえっている大小売店舗を見たことがない。
   ソファーに腰掛けたり、システムキッチンを操作したり、それに、24平方メートルほどのワンセット揃った一軒分の小さなコンパクトなインテリアや10万円以下で家具を揃えた室内インテリア等を熱心に眺めながら夢を語っている。

   広大なレストランは、セルフサービス形式だが、とにかく、好い加減な料理ではなく本格的な洋風料理がサーブされていて、これが、実に美味い。
   レジ外の広い出口フロワーには、綺麗なスウェーデン食品売り場が併設されていて、色々な食品に混じってレストランでサーブされている食品も並べられていて「イケアの本格的スウェーデン料理」と言う素晴らしい料理本まで売られている。

   もう一つ気に入ったのは、子供達を1時間預かって遊ばせてくれる本格的なサービスがあることで、許可条件が背の高さが1メートルから1.35メートルであるからかなり大きな子供達で、沢山の子供達が嬉々として遊んでいた。
   少子高齢化社会で、もう夢も希望もなくなったと言われている日本で、若者達が目を輝かせて時間を過ごし、子供達がキッズ関連売り場で転げまわっている、そんな稀有な大型店舗が船橋にあるのである。
   カルフールが撤退して、ウオルマートが苦戦している日本だが、確かにスーパーは日本市場は特別であるかも知れないが、旧態依然として変化の乏しい保守的な家具、ホームファニッシング業界は、違う。
   肌理の細かいヨーロピアン・タッチのイケアは、言うならば、日本家具業界への革命的な一石で、今後の活躍が楽しみである。
   全く、素人の戯言だが、そう思っている。

   
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