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今日の日経の土曜版「NIKKEIプラス1」で、「一度は見たい歌舞伎演目」が掲載された。
コロナ以降、観劇機会は減ってしまったが、20年以上歌舞伎座などに通って歌舞伎を見続けてきたので、非常に興味深く読んだ。
掲載されている10演目はすべて、それも、何度か観ており、それに、文楽でも同じ演目を観ているので、よく知っている舞台である。
1位 義経千本桜
2位 仮名手本忠臣蔵
3位 勧進帳
3位 夏祭浪花鑑
5位 青砥稿花紅彩画[弁天娘女男白浪]
6位 助六由縁江戸桜
8位 暫
9位 連獅子
10位 女殺油地獄
調査の方法は、歌舞伎に詳しい専門家の協力を得て、代表的な演目を20選出。12人の専門家がそれぞれ1~10位まで順位付けし、結果を編集部で集計した。と言うことで、各演目の魅力については、それぞれの先生方がコメントしていて良く分かる。
しかし、例えば、三大名作のうち、格調の高い「菅原伝授手習鑑」が、何故抜けているのか、それに、私が好きな近松門左衛門の作品が、末尾の「女殺油地獄」だけであるし、「和事」の舞台など上方歌舞伎が軽視されているなど、多少違和感はあるが、興味深い選択だと思う。
googleで「一度は見たい歌舞伎演目」で検索したら、上位に出てきた「初心者必見!初めての歌舞伎鑑賞におすすめの演目5選」では、
「連獅子」「封印切り」「松浦の太鼓」「壇浦兜軍記 阿古屋」「弁天娘女男白浪」
いずれにしろ、他の記事もそれぞれが、殆ど確たる根拠がなく独善と偏見で、見るべきものとして選定や推薦演目を選んでいる感じで、これは、自分自身が実際に舞台を鑑賞して実感する以外にないと思っている。
私など、出来るだけ元の浄瑠璃を読んだり、解説書など関係本を読んだりして理論武装して観劇に臨むのだが、良く理解しているとは思えないし、自分の感性と印象だけで納得している感じで、本当の見方かどうかは心許ない。
ところで、近松門左衛門の作品を取っても、浄瑠璃には、詳細が記されていないので、どんな芝居になるのかは、全て歌舞伎の演出や歌舞伎役者の手腕に掛かっていて、作劇への歌舞伎の貢献は、実に大きい。
典型的な例は、中村仲蔵が案出した斧定九郞像であろうか、この新演出で一気に舞台が変ったのだが、このような決定版の蓄積で今日の江戸歌舞伎が昇華されて伝統が培われてきた。これとは趣を異にした上方歌舞伎では、同じ舞台だと「工夫が足らんなあ」と揶揄されるので、役者には絶えず試練の連続が続いて芝居が変化する、こんどはどうなるのかと言う楽しみがあり、仁左衛門など封印切りの八右衛門はアドリブだと言うから面白い。
今回の日経記事は、私の好みとは大分違ってはいたが、専門家の先生達の選定であり解説なので、良い勉強になった。
コロナ以降、観劇機会は減ってしまったが、20年以上歌舞伎座などに通って歌舞伎を見続けてきたので、非常に興味深く読んだ。
掲載されている10演目はすべて、それも、何度か観ており、それに、文楽でも同じ演目を観ているので、よく知っている舞台である。
1位 義経千本桜
2位 仮名手本忠臣蔵
3位 勧進帳
3位 夏祭浪花鑑
5位 青砥稿花紅彩画[弁天娘女男白浪]
6位 助六由縁江戸桜
8位 暫
9位 連獅子
10位 女殺油地獄
調査の方法は、歌舞伎に詳しい専門家の協力を得て、代表的な演目を20選出。12人の専門家がそれぞれ1~10位まで順位付けし、結果を編集部で集計した。と言うことで、各演目の魅力については、それぞれの先生方がコメントしていて良く分かる。
しかし、例えば、三大名作のうち、格調の高い「菅原伝授手習鑑」が、何故抜けているのか、それに、私が好きな近松門左衛門の作品が、末尾の「女殺油地獄」だけであるし、「和事」の舞台など上方歌舞伎が軽視されているなど、多少違和感はあるが、興味深い選択だと思う。
googleで「一度は見たい歌舞伎演目」で検索したら、上位に出てきた「初心者必見!初めての歌舞伎鑑賞におすすめの演目5選」では、
「連獅子」「封印切り」「松浦の太鼓」「壇浦兜軍記 阿古屋」「弁天娘女男白浪」
いずれにしろ、他の記事もそれぞれが、殆ど確たる根拠がなく独善と偏見で、見るべきものとして選定や推薦演目を選んでいる感じで、これは、自分自身が実際に舞台を鑑賞して実感する以外にないと思っている。
私など、出来るだけ元の浄瑠璃を読んだり、解説書など関係本を読んだりして理論武装して観劇に臨むのだが、良く理解しているとは思えないし、自分の感性と印象だけで納得している感じで、本当の見方かどうかは心許ない。
ところで、近松門左衛門の作品を取っても、浄瑠璃には、詳細が記されていないので、どんな芝居になるのかは、全て歌舞伎の演出や歌舞伎役者の手腕に掛かっていて、作劇への歌舞伎の貢献は、実に大きい。
典型的な例は、中村仲蔵が案出した斧定九郞像であろうか、この新演出で一気に舞台が変ったのだが、このような決定版の蓄積で今日の江戸歌舞伎が昇華されて伝統が培われてきた。これとは趣を異にした上方歌舞伎では、同じ舞台だと「工夫が足らんなあ」と揶揄されるので、役者には絶えず試練の連続が続いて芝居が変化する、こんどはどうなるのかと言う楽しみがあり、仁左衛門など封印切りの八右衛門はアドリブだと言うから面白い。
今回の日経記事は、私の好みとは大分違ってはいたが、専門家の先生達の選定であり解説なので、良い勉強になった。