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東大のテンミニッツTV講義録の納富 信留教授の「プラトンが語る正義と国家 不朽の名著・『ポリテイア(国家)』読解」
プラトンの大部の「国家」を読まずに、手っ取り早く、解説書を読むことにした。
政治劣化、宗教紛争、多様化しすぎた価値観・・・混迷の時代に読むべき「史上最大の問題作」自分が変わる驚愕の書。ハーバード、MITなど全米トップ10大学の「必読書第1位」と言うのが、このプラトンの『ポリテイア(国家)』。
この本の主題は、「正義とは何か?」
「正義はそれ自体として行うに値する、素晴らしいことである。それは結果が伴っても伴わなくても素晴らしいことだ。」「私たちは、正義がそれ自体として魂それ自体にとっても、もっとも善いものであると言う事を見出した。魂は正しい物事を為すべきだ、そう分かったのだ。」とソクラテスは説いた。
この本の本当のテーマは、「魂(プシューケー)」で、ポリスにおける正義・不正をみることで、類比的に、人の魂を」考察していると納富教授は言う。
ところで、私自身が、このプラトンの「国家」で知っていたことは、ただ一つ、「哲人政治」である。
哲学者が訓練を積んで国を支配する。あるいは政治家が真正に哲学をする。「その2つのどちらかが成り立たない限り、人間にとって不幸は終わらない。」と言う理論である。
実際に哲人政治をするためには、初等教育から高等教育に至る哲学者教育を全部経た人たちで、最後に残った信頼できる人に政治を任せなくてはいけないと言うのである。
ところで、この哲人政治論が、20世紀には全体主義のシンボルとなって、ナチズムや軍国主義の人たちが「自分たちは哲学者だ」と語って政権を握り、プラトンの趣旨をまったく損ねるような政治を行った悲しい歴史がある。
哲人政治の「理想的なポリス」が、人間の「欲望」限定的には「金銭欲」、そして、「分断(スタシス)」「内乱」によって、「優秀者支配制」から「僭主制」へと堕落崩壊してゆく過程を5段階に分けて分析している。
最後の「民主制」と「僭主制」については、現代に通じる貴重な示唆を与えてくれているので、プラトンの「国家」を読んでから考えてみたい。
さて、今日、石破首相とトランプ大統領の首脳会談が行われる。
哲人政治を考えると、非常に興味深い。