地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

台湾鈍行の旅 (1) 西部幹線の「冷気平快」

2005-03-02 00:12:29 | 台湾の鉄道


 しばらく更新が止まってしまってすみません。約1週間ほど台湾をぐるっと一周して「鉄」してきました (^^)。特に今回の主なねらいは「客車鈍行」! これまで台湾の鉄道では、日本の国鉄時代の客車列車をナマで覚えておられる方なら誰でも懐かしさで涙が止まらずにはいられないほど素晴らしい客車鈍行シーンが展開していたのですが、やはり近代化・VVVF電車化の流れの中で急速に減ってしまい、ついに台北近辺ではこの1月に完全に消えてしまいました。そこで、辛うじて客車鈍行が生き延びている台湾南部へ向かい、その魅力を味わい尽くしてしまおうというわけです (^o^)。
 まずは台北から一気に特急「自強号」で南下して、北回帰線の街・嘉義へ。ここから南の区間では朝夕を中心に冷房改造された回転クロス車 (SPK2300型。日本のスハ44のノーシルヘッダー版と思って頂ければちょうど良いです。日本製ですし) が走っていますが、白昼堂々と走る唯一の列車を選んで、台湾第2の大都会・高雄まで2時間半の旅を楽しむことにしました。しかし……嘉義で折り返す高雄からの列車は大幅な遅れ! (台湾ではよくあることです) まだかよ……と思いながら、日本植民地時代から多分何も変わっていないホームの光景を眺めること約30分 (爆)、ようやく姿を現したファインダーの中の美しい編成にただ惚れ惚れとしてしまい、危うくシャッターを切るのを忘れそうになりました。(^^;)
 ちなみに、台湾の列車は4階級に分かれていて、速さや車内スペックの違いによって運賃が全く違っています (日本のような、普通運賃に特急・急行料金や指定席料金を加えるというシステムではありません)。この「平快」(敢えて訳せば「安いただの急行」……実際にはこの列車の場合は各駅停車なのですが。^^;) と「普通車」は最低ランクで、冷房がないのが当たり前なのですが、この「冷気平快」の場合は、もともと非冷房だった車両を90年代に冷房改造して一旦1ランク上の「復興」料金適用列車にしたものの、車内スペックの古さゆえに余りにも人気がなく、結局格下げして冷房はそのまま……という、いわば「乗りドク列車」なのです。唯一の難点は、冷房改造の時に窓が固定されてしまったことです。それでも、ドアは手で開け放題! (^^)