地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

台湾鈍行の旅 (4) 屏東線万歳!

2005-03-05 22:13:17 | 台湾の鉄道


 高雄に到着して駅撮りを楽しんだあとは、駅前のビジネスホテル (日本人だと分かると非常に親切にしてくれました ^^) に部屋をとって、夕方から夜にかけて高雄の街歩き。バイクの大洪水に圧倒されながらも、旧暦1月15日からしばらく行われるランタン祭りを楽しみ、さらに駅に近い屋台街の美味を味わい尽くし、食べ過ぎてしまう結果になってしまいました (爆)。
 翌朝は早起きして、いよいよ今回の撮り鉄・乗り鉄旅行の核心部である屏東 (へいとう/ピントン) 線へと入って行きます。朝6時、まだ真っ暗な高雄駅のホームに向かってみると、さっそく停まっていました!藍色の客車が! しかも、屏東線の鈍行用客車は、前日に乗った「冷気平快」の客車の系列とは違って、シートピッチの狭い2扉両開きセミクロスで、いっそう使い古しぶりが目立ちます。さらに、一応自動ドアなのですが、ホーム側だけ開くのではなく両側が開いてしまうというシロモノ (^^;)。でも、そこがまた良いのです! それに、私がかつて台湾ではじめて乗った列車がこのタイプなので、久しぶり感もひとしお (^^)。
 さて、そんな感じでユルユルと発車したのは良かったのですが……旅行中は毎朝雨が降るという最悪の天気で、「これから途中下車を繰り返して撮り鉄するのに、こんなに真っ暗だったらどうしよう……」と心配になってきたのですが、大都会らしい風景が途切れて田舎っぽい風景へと変わってくる頃から雨が止み、最初の撮り鉄スポット・竹田駅 (日本時代からの旧い駅舎が素晴らしい状態で保存されています) で降りたころには晴れてきました (^^)。
 ここからは、南国ならではの蒸し暑さと椰子の木・ビンロウの木が続く中を、窓を開け放っての~んびりと揺られる最高の旅です! 2つ目の撮り鉄スポットとして選んだ南州駅に降り立ったら、鮮やかに咲き誇る花々が迎えてくれました。う~ん、この待合室からの眺め、何だか出来すぎているほどですが、こんなちょっとした喜びがそこらじゅうに転がっているのが屏東線の旅の魅力なのです (^^)。

台湾鈍行の旅 (3) 高雄駅

2005-03-05 13:46:52 | 台湾の鉄道


 話を台湾鉄路局に戻しまして、お目当ての1番目である西部幹線の「冷気平快」は嘉義を約30分遅れで発車しました。発車の時点で、車内の客は何と1両に2~3人という超ガラガラぶりで、そんな8両編成が電気機関車に牽引されて複線を走って行くところは、まさに80年代中頃までの東北線客車鈍行の世界を思い出させてくれます (特に昼間の黒磯~福島間はこんな感じだったなぁ~^^)。そして、ただジョイント音やブレーキ音だけが響く列車に揺られながら、田植えが終わったばかりの田園風景をのんびり眺めたり、デッキのドアを開けて、手すりを強く握って思い切り体を外に出したり (危ないので良い子は真似してはいけません! ^^; )……と、さっそく客車鈍行の喜びを全身に感じまくりました!
 しかし、いかんせん30分遅れで発車したので、このままもっと遅れが拡大し、果たして高雄まで何時間かかることやら……という思いが。ところが、ダイヤ通りなら途中駅で2回あるはずの優等列車待避のための長時間停車が端折られ、しかも究極の挽回策として、台湾名物の単線並列までやってくれました! (要するに、複線を一時的に単線×2という状態にして、速度の違う列車を並走させるという裏技。信号システムはヨーロッパ式に変更した台湾だからこそ出来ることで、私が乗っている列車は最速列車の「自強」に思いっきり抜かされました。ただ、私自身はどうしても、閉塞ミスで対向列車とぶつかるのではないか……という思いが拭えずヒヤヒヤ ^^;)
 そんなわけで、みるみるうちに遅れを回復していった列車は、定刻から僅か3~4分遅れで台南に到着、ここからは一気に車内が高雄に遊びに行く (or台南の大学から高雄に帰る) 若者たちでいっぱいになってしまいました (爆)。台南~高雄間は鈍行でも1時間で、しかも鈍行はものすごく運賃が安いので、特に若者の気軽な足として大いに利用されているのです。というわけで、ガラガラ鈍行の夢はあっけなく崩れてしまいましたが (^^;)、台湾人の乗車マナーは一般的にとても良いので、落ち着いた雰囲気の車内が保たれたまま、何と定刻に (!) 高雄に到着しました。
 高雄駅は現在、新幹線や地下鉄の乗り入れを目指した大改造中で、以前台湾を一周したときに利用した日本時代からの駅舎は数十メートル移動して記念館になってしまい、旧いホームの上屋もあと数年の命と思われます。そんな中、車庫や機関区から出入りしてくる入換は非常に活発で、高雄駅ホームの東寄りに陣取れば、1時間かそこらでも相当シャッターを切りまくることができます (^^)。そしてふと、全盛期の上野駅もこんな感じだったんだろうな……と思ってしまったりして。
 ↑の画像は、鈍行用客車 (かつての座席指定急行用。「冷気平快」はこの車両にクーラーをつけて塗装変更したものです)+2軸無蓋車+キョ光号用客車 (キョ=くさかんむり+呂。キョ光号は自強号の次にエラい、スピード的には特急と急行を足して2で割ったような列車。車内は日本のグリーン車並み) をつなげた、相当無理矢理な組み合わせの配給列車 (?) が駅のはずれに停車しているところに、台北行きのキョ光号が入線してくるシーンです。