台湾の東半分は、既に開発が進んで人口密度が高い西半分と比べると、とにかく景色が雄大で、険しい山々や美しい田園風景を楽しむことができます。ただ、それは同時に人口密度が低く、列車の本数も多くないことを意味するわけで、さらに台湾の場合はデラックスな長距離特急列車が同時に運賃の安さも手伝って近距離輸送も肩代わりしていますので、完全な鈍行列車ともなると、まさに朝夕の通学時間を中心に1日数本だけという世界!
ただ、そういう1日数本だけの鈍行を選んで乗れば、窓を開けて直接その絶景をナマで楽しむことが出来ますので、やはり選択としては外せません。
というわけで、そんな台湾東部の風光を楽しむのに最も適した列車として、台東を朝7時に出発して花蓮に11時に着く、花東線唯一の全線直通鈍行「平快200次」(「次」は列車番号の意) という名物列車があり、もちろん私も途中の玉里駅から終点の花蓮まで乗りました (^^)。ただ今回は撮り鉄も重要なテーマでしたので、玉里駅を拠点として朝夕だけ運行されるディーゼルカーを撮影するため、台東から玉里まではキョ光号で先行したのでした (^^;
で、その玉里駅に陣取るディーゼルカーがこちら、1960年代末に東急車輌で製造され、かつて西部幹線のスピード王「光華号」として君臨したというDR2700型です。性能的には、いまの「自強号」用ディーゼルカー (全て日本製) の基礎になった車両ですが、いかんせん冷房がないので、80年代にはローカル用に格下げされ、今ではここ花東線で細々と生き残っている……ということのようです。
それにしても、東急車輌製だけに車体の雰囲気が東急ステンレスカーと非常によく似ているのが何とも言えないところです (^^ サロ153のステンレスカーがこんな感じでしたっけ?)。そして、正面のデザインもどこかで見たことがあるなぁ……と思ったら、そういえば伊豆急100系にそっくり!! 思わずこのDCをまるごと伊豆急ハワイアンブルー塗装にしてみたくなってしまいました (^^;)。
今回は時間がなかったので、このディーゼルカーには乗れませんでしたが、車齢35年を超えてもう先は長くないらしいので、出来るだけ早めに再訪して乗ってみたいところです。