揖斐線の名脇役とくれば、もう一つ忘れてはならないのがこちら、520形です。もともとは美濃電の木造電車だったそうですが、揖斐線急行運転開始に際して鉄板を貼り、転換クロスシート化改造を受けて、このような姿になったとのこと。如何にも木造電車の名残を残した窓配置・丸見えの台枠・ゴツく僅かに斜めに傾いた前面など、510形と比べると変わり種的雰囲気 (^^;) が強いですが、そんな電車が510形とデコボコなコンビを組んで快走しているというのが見どころでした (^^)。
そんな520形の変わり種ぶりの最たるものは、運転台に2つコントローラが設置されていたことです! これはどういうことかと申しますと……520形自身の走り装置は直接制御であり、間接手動制御 (HL) に改造された510形とコンビを組む際にはもちろんそのままでは総括制御が不可能なので、510形に対応したHLコントローラを併設していたというわけです。そこで、この併結運転の際、520形はあくまで無動のクハ扱いとなり、強力なモーターを備えた510形にぶらさがっているだけでした。510形のダイナミックなサウンドに比べれば、何~んにも音が出ない520形はつまらないので、結局一度も520形には乗ったことがありませんでしたが (^^;)、さらに思い出してみれば、520形の単行運転は80年代当時ほとんどなかったように記憶していますので、モーター音を上げて自走しているシーンすら見たことがありません (^^;;;)。そういう意味ではちょっと不遇で地味な電車だったかも知れません。