江ノ電の面白いところは、いくら新型電車が登場しても、いろいろな印刷物や看板などで用いられるシンボル的な車両は最古参の300形であることが少なくない点です。住宅街の路地裏チックなところをトコトコと走り、名所旧跡や海をのんびりと結んで走るという路線の特徴に、シックな緑とクリームの塗装を身にまとった古い電車が如何にもはまり役だからなのでしょう。
いっぽう、事実上江ノ電で最もメジャーな電車といえば、編成数から言ってやはり1000系でしょうか。何と言ってもブルーリボン賞を受賞し (釣掛式電車唯一の受賞! なお、1500番台はカルダン駆動です)、登場以来25年を経っているのに全く古さを感じないばかりか、その優雅な姿がすっかり沿線に融け込んでいるあたりは、如何に秀逸な工業デザインだったかが分かろうというものです。
そんな1000系が、300・500形といった旧型車を象徴する緑+クリーム塗装になってみたら……疑似レトロ電車である20形は全体的に「?」でしたが、こちらは実にしっくりとしたものが感じられ、余りにもサマになっていました (^^)。しかも、繰り返しになりますが釣掛ですので、色と音のマッチングが素晴らしいです (ホントか? ^^;)。出来れば派手な広告塗装はやめにしてもらい、1000系の半分が本来の塗装、半分がこのレトロ塗装という感じになれば、いずれやって来る「300形のない時代」でも撮り鉄を楽しめそうですが……。