昨日台湾では馬新総統が就任したということで、バブリー・チャイナの経済力を借りながら台湾経済を持たせるという戦略がはっきりしたわけですが、その最大の目玉となっているのは、台湾と中国のあいだの飛行機直航と (これまでは香港経由)、中国観光客の大々的な呼び込み……。毎日3000人が当面の目標って一体……。これからは、台北をはじめ各地のメジャーなスポットや台湾新幹線、それにタロコ号 (太魯閣号。この連載の次回アップ予定) などの移動手段は、中国成金観光客が大挙して乗っている可能性が高まるのではないかとヒヤヒヤしています。せめて台湾新幹線・各駅停車列車の商務車 (日本の「こだま」のグリーン車と同じく、時間がかかるため空いてます) は静寂を保ってくれ!と思っているのですが……(-_-;)。
しかし、事はそうと決まった以上、今後とも観光客の喧噪とはなるべく距離を置いて台湾をまったりと楽しむための策を考えなければなりません。もっとも、中国成金の行動様式を考えれば、それもさほど難しくはなさそうです。何故なら、彼らはデラックスでキラキラと派手なところが大好きですので……(笑)。そこで、速さからして新幹線やタロコには全く歯が立たないキョ光号 (キョ=くさかんむり+呂) の旅を重視すれば良いということになりそうです (笑)。
ただ、既に長距離客の利用は大幅に流れてしまったキョ光号は、先日のダイヤ大改正で本数が減らされただけでなくスピードダウンの憂き目にも遭い、その存在は大きく揺らぎつつあります……。それもひとえに、長距離需要を諦めた分だけ停車駅を増やし、新幹線や自強の恩恵を受けない駅の利用客を取り込もうとした結果ですが、その遅さたるや……ダイヤ改正の直前に台鉄公式HPで新時刻表が公表されるやいなや、台湾人鉄道迷のあいだで「復興号よりも運賃が高いというのに、復興号よりも遅いとは何事だ!」という猛ブーイングが起こったほど (苦笑)。台鉄の説明では、もともと復興号として運行していたスジにキョ光号を充てたために、このような逆転劇が生じたそうですが……。
そんなキョ光号、たとえ遅くなっても良いから、客車特急としての威厳をいつまでも保って欲しいと思うのですが、ダイヤ改正を契機として、かつての日本国鉄特急・急行型グリーン車に劣らない座席スペックを持つ手動扉編成がまた減ったのは寂しいことです。既にキョ光号にそれほど資金を投下できない中ではやむを得ないとは言え、自動扉の新型客車 (一部は手動扉車からの改造車) は、内装や椅子のつくりが薄っぺらで安っぽいことは否めませんので……。
まぁ、それでも日本の特急普通車と比べれば依然として豪華快適です (笑)。というわけで、のんびり・ゆったりとした台湾・客車列車の旅を今後も手軽に楽しむため、新型キョ光号を愛用し続けることになるのだろう……と思っています。
ちなみに、今回の画像はいずれも旧型バージョン (*^^*)。1枚目の画像は花東線・瑞穂駅南の踏切にて。瑞穂といえば近場の鄙びた温泉群ですが、そこをそっちのけで約2時間ほど撮り鉄をしていた私って一体……(笑)。自強号の高速通過に備えてきついカントがついたカーブを行く客車列車の図は最高にシビれますが、この撮影は涙なくして語れません。何故なら……この踏切の周辺に巣くっていた小さな羽虫が凶暴の限りを尽くしていたからです!(涙) 手の甲が集中攻撃を受けて数十カ所腫れまくり、強烈な痛がゆさが完全に消えるまで1ヵ月かかりました。御用心、御用心……(@_@)。2枚目は南州駅北の踏切で撮っております。