感動の相模大塚イベントに次いで、堂々の大型HM装着運行……と、相鉄ファンのあいだに感動の嵐を巻き起こしてきた5000系ですが、本日ついに、抽選当選客を対象としたさよなら特別運転を以て引退のはこびとなりました……。長年の相鉄利用者&ファンとして誠に悲しいことではありますが、人間も鉄道車両も限りある命。いつか別れは必ず訪れるというもの。そこで、相鉄沿線の中でも最も思い出深い場所でお別れをしようと思いまして、7日のイベントの記憶も覚めやらない相模大塚を訪れてみました。米タン見物のためにヒマさえあればチャリを飛ばして訪れた小中学生時代……毎日通るたびに電留線の様子を眺めた高校時代の記憶。そして先日のイベントとその後の激レアな入換を通じて、私の中の「相模大塚伝説」は新たなものになったという次第でして……。
とくに今回選んだのは相模大塚1号踏切。いずみ野線への送り込み回送が通過するのは1時過ぎと予想されたことから、念のため (東横線8000さよなら時の異常な光景を念頭に置いて) 10時過ぎに着いたところ (早っ! ^^;)、ホーム先端も2号踏切も誰もいない状態。そこで「このどちらかでも良いかな……」と一瞬思ったのですが、恐らくこの2カ所は撮り鉄が殺到して鬱陶しい状態になるに違いない (特に、マナーがなく喧しいだけのガキとは同居したくない……) と思い直しまして、定員が限られる1号踏切をやはり選択したのでした。ここは再び手前のレア側線を使う機会が訪れるまで絶対にカブられませんし、先日5000系が形見として削ったばかりのレールをしみじみと眺めるのも意義深いというものです……。
そこで待つこと3時間、いざ来るか……と緊張が高まった矢先、自分のすぐ後ろで突如「グゴッッ!」という衝撃音が!! 何と、如何にも大和ヤンキーな女が運転する車が踏切に進入し損ねて車の下部をぶつけ、レア側線上で停止! これは抑止?!という懸念が高まりましたが、2号踏切監視のため居合わせた駅員氏や他の撮り鉄氏の巧みな誘導で幸い脱出! その直後に5000系が登場!! 無事完璧に撮影できてホッと一安心……。この場でご一緒した方々、本当にお疲れ様でした!
とりあえず送り込みを無事撮影した後、次はどこで撮ろうか……ということで腹案をいろいろ検討したのですが、ここはやはり1号踏切のアングルと同様、3本あるレールの中央を花道よろしく堂々と走る光景を決めたい……と思いまして、2号踏切西側の線路沿いへ移動。厚木基地へ入る米タンがスイッチバックしていた側線という思い出深い線路をアングルに加えまして、さよなら列車の到着を待ちます。天候はしばしばピーカンに転じ、これは正面と側面の明暗差がきつくなってしまうなぁと懸念したものの、幸い3時半過ぎの通過時には、薄日がマスクをやさしく照らす程度となり、なかなかドラマチックな演出となりました……(*^^*)。
それにしても、今回の5000系さよならイベントでは、最後の最後まで相鉄側の惜しみないサービス精神に圧倒されました……。運用番号は、東急8000系のときを思い出される「39」、そしてラッキー7の並び!! 種別幕にはローズレッド地に「いつもの」フォントで「感謝」「希望」……!! 初代5000系から5100系、そして現5000系へと脈々と受け継がれてきた「5000」の存在に相鉄社員の皆様が感謝し、そんな「5000」を日々愛用してきた沿線のファンにも感謝するということなのでしょう。そして5000系が去っても、5000系のバトンは他の車両にしっかりと引き継がれ、超ビッグプロジェクトとしてのJR・東急直通に象徴される相鉄発展の歴史はこれからますます続く!という温故知新の想いが「希望」の2文字として表現されているのだろうと思います。沿線の一ファンとしても……1970年代デザインの車両の退場をしんみりと寂しく思いつつも、最後の輝きを魅せながらゆっくりと走り去る5000系から「これからの相鉄をますますご愛顧よろしく!」と呼びかけられている気がして……逆に励まされるかのような心地すらしたのでした……。