地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

終焉迫る (?) 高山線富山口のキハ58

2009-02-22 08:15:48 | 国鉄型車両


 今回の出張ついで北陸行は、行こう行こうと思いつつ多忙で先延ばしにしている間にいつのまにか消滅間際の気配が漂っている存在を、所謂パニックになる前にしみじみと味わい、きっちりと記録しておくことを主眼としておりました。そこで最初に訪れたのが、高山線の富山口! 大変恥ずかしながら、私鉄メイン撮り鉄派の私はこれまで高山線に一度も乗ったことがなかったりするのですが (岐阜でキハ40・48を見かけても「いずれ必ず……」と思うだけ ^^;)、社会実験の一環として富山=越中八尾間で現在増発されている運用が、偉大なるキハ58系列の最期の定期運用の一つとなっている……ということで、これは外せないだろうと思った次第です。昨年の今頃、花輪線で「よねしろ色」キハ58を撮った後、なるべく早めに巡礼したかったのですが……余りの多忙で先延ばしになっていたこともあり (-_-;)、とにかく「ようやく撮れる!しかも折良く雪景色!」と喜び勇んで急行「能登」の客となったのでした。(出来れば「北陸」のBソロにしたかったのですが、直前の予約では既に満席 ^^; そこで、489系のサロを選択したところ……意外と良く眠れたので大満足! オフシーズンの平日ということで、普通車もサロも悲しいほどの乗車率……。北陸新幹線開業までの命でしょうか……)
 期待通りに雪が積もる早朝の富山からは、ロケハンを兼ねて1本前の越中八尾行キハ120×3に乗車。ここは是非キハ58に乗って越中八尾まで上り勾配を楽しむべきでは……とも思ったのですが、乗ってしまうと撮影できないのが辛いところでして……(爆)。それはさておき、6:30の富山発車前に越中八尾から来たキハ58が3番線に入線するため、「ちゃんと58で来るだろうか、まさかキハ120の代走なんてことはあるまいな」と確認してみたところ、何と国鉄色2連!! てっきり高岡色と思っていたのですが (^^;)……後でネットで調べてみたところ、富山に4両現存するキハ58+28のうち、キハ58 477+キハ28 2360は、昨年夏にイベント運転用として国鉄急行色に戻されていたようで……。事前に調べるヒマもなかっただけに (汗)、突然目の前に現れた偶然に驚きと感動の嵐が吹きまくり (*^^*)。



 富山から越中八尾までの道中では、少しずつ標高が高くなるにつれて雪の量も増え (といっても例年に比べれば比較にならないほど少雪なのでしょうが……)、この冬初めて見る雪景色に満足 (^^)。しかも良い感じで薄曇り……ということで、太陽の位置を気にせず撮影しまくりだなぁという期待が盛り上がります。しかし……越中八尾から折り返し、適当なところで当たりをつけてカメラを構える頃には、急速に青空に変わってまぶし過ぎ……。「アチャー、これではたとえ雪面がレフ板代わりとなって影部を照らすといっても、明暗差が大きすぎるなぁ……。何とか再び曇ってくれないものか」と念じると、幸いにして一時的に曇ったものの、キハ58様御登場のタイミングに限って再びドピーカンに戻るという……(-_-;)。まぁ、レタッチの結果辛うじてマスクを明るめに再現することが出来ましたし (1枚目)、何と言ってもこの冬としては極めて貴重な雪晴れの風景ですので、このようなカットを撮影できただけでも御の字なのかも知れません。
 それにしても、国鉄急行色2連が白雪に映える美しさといったら……今や最上級の贅沢のひとつと言えるのではないでしょうか。しかも、さすが「本線」らしく十分な有効長を持つ相対式ホームに昔気質の跨線橋……。そんな駅に入線し停車する姿は、たとえ2連であっても急行列車黄金時代を彷彿とさせるに十分です……(*^^*)。
 しかし、途中少々乗ってみたところ、この2両は特に車内の更新を受けている様子はなく、相当老朽化が進んでいるのも否めない事実……。現時点ではとくに置換のアナウンスはされていないようですが、来月のダイヤ改正で姫新線が高速化される結果生じる余剰のキハ40・47が速やかに流入してくることは容易に想像されます。というわけで、どう考えても風前の灯火となりつつあるキハ58系列の定期運用を、雪晴れの景色とともにこれほどしみじみと味わうことが出来て良かったなぁ……と思っています。
 あ、出来れば高岡色も撮りたかったりするのですが、果たして……(汗)。