地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

撫順の電車FK1っぽい車両、1両完成!

2010-02-11 09:45:00 | 超へっぽこ模型製作


 昨年の師走以来シコシコと製作を続けて来た撫順礦務局の電車FK1……1編成4両分がほぼ形を現して来ますと、やはり一刻も早く塗り上がった姿がどのようなものか見てみたいという気持ちがはやり、まずは最初に成形を進めたMcから塗装・細部仕上げを進めてみました。そしてついに完成!! 余りの嬉しさのあまり、思わずジテ改造電車と一緒に並べてしまいました……(*^O^*)。
 しかし……ここまでこぎつけるには引き続き恐ろしく細かい作業と試行錯誤が必要で、まさに「忍」の一字、語るも涙……(決して大袈裟な表現ではありません)。ただでさえ神経を使う塗装・色差しが、複数のリブを取り付けて凹凸が増えたことで一層面倒になり、マスキングが意外と不十分だったり、狭いリブの間にナンバーインレタを貼るのが壮絶な失敗の嵐となったり……。そもそも真鍮線を貼る際に車体に生じた接着剤ムラを紙ヤスリで落としきるのも難しく、見る角度によってはベコベコ気味だったり……(これはこれで老朽化したヘロ車体っぽくもあり悪くないのですが、マスキングやインレタ貼りには露骨に影響 -_-;)。しかし、もう全てはどーでも良いことなのです。素材の選択を誤らずに完成しさえすれば!



 それにしても悩ましいのは、缶スプレーのフタの色と現実の発色がかなり異なることです。小田急ブルーでちょうど良いかな?と思い吹いてみたところ意外と暗めで、しかもマゼンタ分が少ない……。撫順の実車よりも暗く地味な発色になってしまいました。窓の上下の薄い水色も、タミヤの米軍薄ブルーをチョイスしてみたのですが、これもやはりフタの色よりも濃い……。スカートの裾に塗ったクロスポイントオリジナル・名鉄スカーレットも思いがけず彩度が高いですし……。
 そういえばじーっと眺めてみますと、何やらパンタ台座の位置が高すぎる……。TOMIX・PS13用ランボードと一体となっている土台の穴に、TOMIX・PS16Pの根本がはまりきらないようで……(苦笑)。パンタは要換装ですな、こりゃ。
 ちなみに、実車はマスクのド真ん中に撫順礦務局旧社紋または撫礦集団新社紋が燦然と (?) 輝いていますが、N模型がないアダシクニの鉱山鉄道の新旧社紋インレタなんてあろうはずもなく、かといって何も貼らないということでは画竜点睛を欠くわけで……。そこでひらめいたのが、他社のGMインレタ社紋の流用 (笑)。遠目に見て撫順礦務局社紋っぽく見えれば良いかな、と思いまして……常総筑波鉄道社紋を貼ってしまいました (^^;;;)。
 何はともあれこうして仕上がってみますと、何やら如何にも社会主義計画経済的エレクトリーチカっぽい雰囲気がビンビンに漂って来ますので、まぁ所期の目的は達成しているものと言っても良いでしょう(まぁ自画自賛ですが・・・^^;)。

 これほど手数がかかる車両をあと3両作らなければならないことに、勝手に自分で掘りまくった絶望的なドツボを感じつつ、ここでお一つ御詠歌を……
   ぱーるてぃ~や~れーにな~ しーら~な~ろーどなや~♪
   ……いや、そっちじゃない。
   こんちゃんだ~ん しあんたいや~ん 
   ぢゃおたおな~り~ な~り~りゃ~ん♪ 
   な~り~ようりゃおこんちゃんだん ふーあるへいよぉ
   な~りれんみん どぇぁ~じえふぁ~ん♪    (チーン。激爆)
……まぁ、どっちも計り知れないほどの虚構ではあるのですが。


 いつもお世話になっております「きえふにいさん」様から頂いたコメントの中に、以下のような内容がありました。

> 追伸:先日の撫順FK1のことですが、
> "FK1"の略は"Фушуньская Коммунистическая
> Электричка 1
>(フーシュニスカヤ・コムニスチーチェスカヤ・
> エレクトリーチカ・アジーン"(撫順共産主義電車1号)
> じゃないですよね?(笑)

 何と申しますか、ここまで女性形の格変化が続くと結構スゴい響きがあるのですが、ええ……もちろんそんなわけはございません(笑)。いちおう世界史の授業で習う知識としては、革命をやったばかりの1950年代の中国はソ連と蜜月関係だったわけですが、1950年代末以後1989年にゴルバチョフ・ソ連大統領(あぁ懐かしやゴルビー……^^;) が北京を訪問する頃まで中ソ関係はずっと最悪でしたし、そもそも毛沢東と同志スターリン (爆) 及びコミンテルンとの関係も元々微妙すぎるものがありますので、中国がそんなに安易に鉄道車両の略号をロシア語準拠にすることは有り得ないというのが正直なところです。
 というわけで、中国の鉄道車両に付せられているアルファベットは、形式名を中国語の公定アルファベット表記 (拼音字母) で書いた場合の頭文字を取ったものでございます。基本的な発想は日本の形式表記と同じですね。さすが満鉄の遺産であるだけのことはあります……。
 そこで、「FK1」ですが、撫順礦務局をアルファベットで書きますと

 Fushun Kuangwuju  ふーしゅん くぅぁんうーじゅー

となりますので、FとKを取って「FK」。1は気まぐれで付けた型式番号でしょう。
……とまぁ、これだけのことです (^^;;
 もし型式名が「撫順共産主義」の略だとしたら、Fushun Gongchanzhuyi (ふーしゅん こんちゃんぢゅーいー) の略で「FG」となります。

 ちなみに、他の代表的事例としては……

硬座車 YingZuoche いんずぅおちょぇー  →YZ
軟座車 RuanZuoche るあんずぅおちょぇー →RZ
硬臥車 YingWoche いんうぉーちょぇー  →YW
軟臥車 RuanWoche るあんうぉーちょぇー →RW

 (こういう客車の等級分けは基本的にソ連準拠ですね。「社会主義では万人が平等なので、1等・2等といった階級分けではなく、単に柔らかいか硬いか、座るか寝るかで分け、客の任意の選択に任せる……」という、まさにあちらの宣伝を真に受けたアホな紹介がむかしの「進歩的知識人」によってなされていたと記憶しているのですが[日中平和友好条約締結間もない頃さかんに現地訪問記を載せていたRJ誌にもそんな記述があったような気が……]、往時は一般庶民が革命烈士・官僚・軍人・外国賓客専用のソフトクラスや軟席に乗るなどという、独裁国家における実質的な身分関係を踏み越えた「不敬」は間違っても出来なかったわけで。今や軟席もすっかり成金の大群に占領されて堕落しましたが、特権や金づるにつながっていない農民・庶民にとっては今でも軟席運賃は天文学的費用であることも確か……)

東風 DongFeng とんふぇぉん (電気式DLシリーズ) →DF
 (東風=社会主義が西風=資本主義を圧する、という意味)
東方紅 DongFangHong とんふぁんほん (液体式DLシリーズ) →DFH
 (毛沢東をたたえる最も代表的な革命歌の名前)
韶山 ShaoShan しゃおしゃん (国産電気機関車シリーズ) →SS
 (毛沢東の生誕地である湖南省韶山のこと)
和諧 HeXie ほぇーしぇ (新世代国産電気機関車シリーズ)→HX
 (いまの共産党の国家建設スローガン)

勝利 ShengLi しょぇんりー (日本or満鉄工場製パシフィック形SL及びそのコピー) →SL
解放 JieFang じえふぁん (日本or満鉄工場製ミカド形SL及びそのコピー) →JF
人民 RenMin れんみん (勝利型の改良版国産SL) →RM
建設 JianShe ちぇんしぉぇぁー (解放型の改良版国産SL) →JS
上游 ShanYou しゃんよう (解放型の入換用小型化国産SL) →SY
 (「鼓足幹勁、力争上游[踏ん張って頑張って高みを目指せ]」というスローガンに由来)
前進 QianJin ちぇんじん (ソ連の5動輪SLを改良国産化した貨物用巨大SL) →QJ

北京の地下鉄車両に付せられている「DK」
……電動客車 Diandong Keche でぃえんとん くぅぇちぉぇぁー の略

……とまぁこんな感じです。ご参考下さい~ (^^;
(小ひらがなが2つ以上並んでいるところは、2つ以上の音を混ぜて発音)