地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第三ジャカルタ炎鉄録 (32) 交通博物館のSL

2011-12-10 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 昨晩はラピュタの再放送をやっておりましたが、我が心のムスカ様のヒールぶり……ではなくて木製の桟道を走る箱形SLと装甲列車に激しく感動しました (笑)。いやいや、そんな話ではなく……インドネシア撮り鉄の続きです。
 タマン・ミニ・インドネシア・インダー (TMII) の交通博物館入口脇に展示されたスカルノ&ハッタ特別列車を参観した後は、いよいよ交通博物館最大のお楽しみである、敷地内南側のSL静態保存コーナーへ! すると……台数にして10数台、梅小路もびっくり!な一大コレクションが目の前に展開しているではありませんか! しかもインドネシアのSLは、もともと欧州で生産されたユーロピアン・スタイルなSLが、日本軍政期以来のものと思われる日本風ナンバープレート・デフレクタ・黒塗装を装っており、南国の地で何故か既視感にとらわれるほどでした……。とくに↑の「C53 17」は、巨大なスポーク車輪の高速旅客機そのものという出で立ちにメロメロです……。日本のC55に似ていなくもないような……(*^^*)。
 しかし残念ながら、酷暑と多雨の地で常に屋外に展示されているためか、かなり荒廃が進んでいるようにも感じられます……。屋根があるスペースに展示された小型~中型機は割と良い保存状態を保っていますし、↓の画像のように最近塗り替え立てホヤホヤな感じの小型機三重連も非常に良い雰囲気ですので、何とか屋外保存機全てに補修の手が入ることを期待したいものです。もっとも、インドネシア鉄道はこことは別にスマラン近郊・アンバラワに鉄道博物館を開設し、そちらにも大量にある保存蒸気は良好な状態を保っているようですので、ピカピカなSLを見たければそちらへどうぞ……ということなのかも知れません。



 ちなみに、交通博物館内には本館を取り囲むようにエンドレス線が設置され、ホンモノのDLが木製客車を牽引して走っていたようですが……今では全く営業せず、DLは2台が放置 (入口に近い1両は塗装ケアがなされていますが、奥のSLコーナーにある1両は荒廃……)、客車は崩壊しつつありビニールシートがかけられた状態 (-_-;)。
 また、タマン・ミニ園内全体は極めて広大で、正門から一番奥まで歩くと恐らく40~50分は軽く要するため、園内の移動手段として豆汽車とロープウェーが用意されていますが、私が訪れた際には豆汽車は完全運休で線路に錆が浮いているという……(これもついでに撮ってみたかったのですが……)。またロープウェーは、インドネシア各地の民家を再現した見事なパビリオン群を眼下に見下ろす絶景を楽しみながらの片道15分少々……ということで、タマン・ミニの奥の方にある交通博物館を訪ねる際には大いに利用価値がある乗り物ですが、箱根ロープウェーと同じく小型ゴンドラが頻発していながら、偶々かも知れませんが乗っている客は私だけで、ひたすら無人ゴンドラとすれ違うというナゾな展開に……(@o@)。
 というわけで、何故こうなっているのかを冷静に考えてみたところ……
 (1) タマン・ミニは広すぎるので、自家用車でそのまま入場し、各パビリオンまで車で乗り付けることが可。年中蒸し暑い国だからなのでしょうなぁ……。→園内交通が繁盛できない。そういえばモノレールも完全に止まっていた……。
 (2) そもそもラマダーン中につき、真っ昼間に激しく水分を消耗するテーマパークめぐりは最初から行楽の選択肢から外れる (ショッピングセンターは逆に賑わうとか)。
……こういった要因のため、ごく僅かな来客も外国人ばかりが目立つという状態でした。園内をノコノコと歩いていたのは私の他に、もう一人日本人と思しき女性を見かけただけでしたとさ……(日本人は歩くの空きだなぁ~^^;)。とにかく蒸し暑いゴーストタウン的雰囲気に耐えられる方には、ラマダーン中のタマン・ミニ、とくに交通博物館はオススメです (^^;;;)。

【Steam Locomotives in Indonesian Traffic Museum, TAMAN MINI】A lot of historical steam locomotives are displayed in tropical green garden, and the view reminds us as if the golden ages of steam locomotive is alive. But, because of budget shortage and tropical climate, the condition of locomotives are not good... In the pavilion, you can learn the history of Indonesian traffics and see some of dioramas and models which means the technical connection between Indonesia and Japan.


 時間が止まったかのような雰囲気は絶品……。



 粘着力のみにこだわった (?) F型タンク機の珍品ぶりに仰天! (^^;



 むかしバンドゥンを走っていたインド・タタ製の国営ダムリバス♪



 モノコックボディの長距離バスも良い味出してます……。



 ジャカルタMRTジオラマには209系3100番台っぽいシロモノが (笑)。



 日本製抵抗制御車納入時に日本で作られた 模型。タラコ色……(^^;