
かつて英領ビルマの拠点として近代的な都市形成が進んだヤンゴンの街は、港湾地域であるヤンゴン川の畔に沿って東西に細長く中心街=ダウンタウンが形成され、その南端には税関やら高級ホテルが建ち並ぶなど、横浜に通じるような景観がありますが、そんなダウンタウンとヤンゴン川の間に貨物用の臨港鉄道が通っているのも何やら横浜と似ているというか……。もっとも周知の通り、当初の横浜臨港線は高島から新興埠頭にかけてのみで、山下公園を通過する区間は戦後の建設であり、しかも廃線となって一部区間に高架橋が残っているのみですが……。いっぽうヤンゴンの臨港線は、決して山下公園のような洒落た空間を通過するわけではなく、ダウンタウン南端道路の南側に広がる港湾地帯に半ば埋もれたかたちとなり、昨年初めて訪問してストランド・ホテル前で日本中古バスを激写したときなど、果たして何処に線路が眠っているのかさっぱりワケワカラン状態。パズンダウン駅にほど近い一部の区間は神出鬼没で貨物列車が運行されることが分かっていますが、恐らくダウンタウン東南にあるボータタウン・パヤー(仏塔)あたりの貨物駅までに過ぎず(Googleの航空写真で見て取れます)、アーロン・ラン(=通り)駅の先で本線に再合流するまでの大部分の区間は死んでいるものとばかり思っていました。

ところが何と! ミャンマー国鉄は今月4日から、半ば死んだも同然の(?)臨港線を旅客用としても活用してRBEを運行し始め、中央駅から結構歩く港湾地区への便宜を図るとは……。従来貨物列車が運行されている区間にしても、入換罐に牽引された小運転がホントに神出鬼没するだけに過ぎない激レア線で、半ば熱帯の木々あるいは再開発の波に呑み込まれて消えて行くだけと思っておりましたので、それを旅客用に再整備するとは本当に驚きです!
しかし……如何せん踏切が多く、交通渋滞も急激にひどくなりつつある折も折、果たしてうまく運行出来るのかどうか……。そもそも客が乗るのかどうか良く分からない中、僅かに運行されるのみで速攻でボツということも有り得ますので、やはり来年の春に再訪しなければならないのか……と思い始めているところです。
というわけで、今年の春に撮影したRBE画像の最後の1点は、平成筑豊鉄道303改めRBE2568。平筑は以前九州を訪れた際に一度だけ乗ったことがありますので、まぁ馴染みがないわけではなく、それなりに頑張って撮った次第です。しかし……謎の支線として知られるランローイン線の単行でやって来たのを、何となくネーピードー行急行の車内から目撃し、翌日待ち構えてみたところ……何時まで経っても来ないどころか、ティラワ運用でRBTを引き連れてやって来たとは! (@_@;) その翌日はちほくと連結してコンピュータ大学運用……。昨年訪問時とは打って変わって、インセイン所属の両運RBEは固定運用ではなくなり、何が何時何処に出没するか分からないという状態に振り回されまくりとなったのでした。