このたび電撃的に旅客営業を開始したヤンゴン臨港線には、何とロングシート化された三陸36形が充当され、今の季節は厳寒な東北のリアス式海岸に沿って走っている車両が、強烈な酷暑のもと大英帝国の栄華を物語る石造建築の脇を走るという珍景が展開し始めました。いやはや……一体何処に線路が埋もれていたのやら……。併用軌道的なところを走っているシーンに至っては、昨年ストランドホテル周辺をうろついた際に全く線路らしきものを見かけなかっただけに、あらためて自分自身の不覚を感じております (^^;)。とにかくまぁ、ナゾの臨港貨物線の華々しい復活、恐るべし……。
いっぽうヤンゴンには、個人的に未だ素性がさっぱり分からないナゾ列車があります。それがこちら……急行用客車の中に1両だけ環状線用ロングシート客車を組み込んだ6連!
しかもこの列車の牽引機は、ヤンゴン界隈のローカル列車としては珍しいDF1600のオレンジ罐! 一応ヤンゴン界隈では他に、ピィ本線の鈍行列車でこの罐を見かけますが、中央駅の東側ではほとんど見かけず、編成構成と合わせて非常に特異な列車です……。
そんな印象に輪をかけているのが、この列車の運行ルート。環状線の線路を通ってやって来ることから、ヤンゴン環状線の列車の一つなのだろうかとも思うのですが、環状線列車は日本中古DCでなければ基本的に水色とダークグリーンの環状線客車(一部特別車として急行塗装あり)で来るはずですので、こんな感じで6両中5両がボックスシート急行用客車であるというのは異様です。そしてヤンゴンに到着しますと、一旦客車区に入って昼寝してしまいますので、撮影チャンスは朝夕各1回というレアさ!(夕方の列車は他の列車を撮影する都合で撮っていません) だからこそ、この列車を見かけるたびに、「一体何処が始発なのだろう」と、さらなる疑問のドツボに落ちて行く……(笑)。