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ジャカルタの電車内に掲げられている電車路線図のうち、ジャカルタ・コタ~カンプンバンダン~タンジュンプリオクの間は、長年来単に記載されているのみで、全く運行されないどころか、線路上にはスラム街が出現したり、高架の上であるにもかかわらず木が生えるなど、相当カオスな状況を呈しておりました。初めて訪れた2009年当時は、ここがかつて列車の行き交う場所であったとは到底信じられない気分にすらなったものです……。
しかし一方、タンジュンプリオクに通じる鉄路のうち、環状東線のクマヨランで分岐したのちしばらく複々線を描き、ラジャワリから急カーブを通ってアンチョールに至る区間は、さらにその先のパソソ駅(輸入電車の荷揚げ場)まで辛うじて生きていたこともあり、土曜休日限定でボゴールとブカシから「アンチョール・エクスプレス」が運行され、ジャカルタ湾岸部の夢の国「アンチョール・ドリームランド」への来客の便が図られていたのを思い出します。クマヨランにて、滅多に列車が入線しないヘロヘロ線路に東急8500系や都営6000系が突っ込んで来る光景は最高にシビれましたし、いつもお世話になっておりますkuching様がラジャワリ~アンチョール間のカーブで撮影されたスラム街シーンは、ある意味で一幅の名画の趣きさえ感じられたものです (遠い目)。
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ところが、アンチョール・エクスプレスは登場時のみ話題を呼んだだけで、運行時間が悪いことからやがていつ見てもガラガラとなり、ひっそりと廃止……。その代わりに (?)、大蘭帝国の権威を見せつける巨大ドームが素晴らしいタンジュンプリオク駅が見事修繕を加えられて再スタートし、ブカシから毎日数往復の電車が運行され、主に都営6000の4~6連の舞台となりました。しかし、これもまた客が少なく、いつの間にか廃止……。猫バスが巨大ドームの駅にちょこんと停車していたあの頃が懐かしい……。一方タンジュンプリオク駅は、パサールスネン駅発着の3等庶民列車の一部が発着駅として利用するようになって今日に至っていますが、まぁ単純に折返線確保のためだよなぁ……。
とまぁこんな感じでタンジュンプリオク線は、偶然陸揚げされた日本中古車両を見物に行くのでもない限り、非常に縁遠い世界となってしまっておりましたが、本来は港湾地帯への通勤需要が見込める重要路線であるはず。その証拠として、コタ駅とタンジュンプリオク駅の間はアンコタが超頻繁運転されていますし、一方本数が少ないながらもトランス・ジャカルタも整備されています。そしてタンジュンプリオク駅前には、ブカシ方面やカンプン・ランブータンBTなどに向かうバスがうじゃうじゃ……。そう、本来ここは、終わっているジャカルタの都市交通網にあって、結節点として大いに活用されるべき場所なのです。
そんなタンジュンプリオクに、本日ついに定期電車が復活! 当面はお試し運行で、ジャカルタ・コタから3往復するのみのようですが (路盤が固まっていないためかノロノロ運転)、そのうち20~30分に1本くらい走ることになるでしょうか?! 正直、マジ狭いアンコタ車内で身を屈めながら、30~40分かけてタンジュンプリオクとの間を往来するのは苦痛で仕方がないため、冷房車で気軽に鉄道遺産そのものな巨大ドーム駅に到達できるというのは、福音としか言い様がありません♪ 使用車種はまぁ恐らくKFWでしょうけど、かつてのアンチョール・エクスプレスを偲びつつ、東急8608Fをアップしておきます (本文の内容とマジ関係ねぇ~!笑)