地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第三ヤンゴン熱鉄記 (37) 元急行用札沼キハ40/48

2016-03-06 12:00:00 | ミャンマーの鉄道


 JRCのキハ11の全部やキハ40系列の一部もロングシート化されてヤンゴンの主力となりつつある今日この頃ですが、久留里キハ38と並んでヤンゴンにおけるロングシート空調DCの先鞭をつけたのは、札沼線のキハ40 330/48 1330番台です。
 途中まで電化される前の札沼線キハ40系列は、(1) 末端でも用いられる単行用キハ40 300/400番台、(2) 札幌近郊専用のキハ48 300番台、(3) 同じく近郊用のキハ40 330番台&キハ48 1330番台に分かれていましたが、(3) は急行用キハ400/480としてパワーアップ・デラックス化され、その後宗谷線急行の特急格上げによってロングシート化のうえ札沼線専属となったという経緯があります。このため、北海道のキハ40/48としては破格の冷房装備となっており、先行してヤンゴン入りしていたキハ48が非冷房100ksの一般列車としてコンピュータ支線運用に入っているのとは異なり、キハ181と並ぶ300ksの冷房車(エアコン・ヤター)として華々しく運用入りしたのでした。



 しかし、北海道キハ40系列用のショボいクーラーでは、ヤンゴンの激烈な暑さには太刀打ちできず……。勿論、メンテナンス面でも周到でなかったり部品が不足したりという問題もあるのでしょうが、デッキ付きで本格派クーラーを搭載したキハ181とは、効き具合の面で比較すること自体が野暮というレベルでしょう。そこで案の定、北のキハ40冷房車に一歩踏み込んだ瞬間、人いきれでモワ~ンと湿った車内がヌルい風で僅かにかき回されている程度で、「これで300ks特別料金じゃ、やってらんねーよ……」とぼやくしかありません。
 しかも問題は、そのくせデッキつきで、窓が狭く、自動ドアも機能しているため、とにかく車内の熱がこもってしまい、走行時には100ksのボロ客車よりも全然クッソ暑い!ということ!! 炎天下の撮影でヘロヘロに疲れた後にこれに当たりますと、ますます熱中症になりそうな気分……。そこで必死に、ヌルい風でも良いので最も強く吹き出しているところを探していると、近くに座っていた尾根遺産が「あそこが一番良いわよ」と教えてくれました。さすが普段から利用しているだけのことはあります……。その場所とは……デッキの吹き出し口。道理で、割と空いている車内でも、複数のおっちゃんや若者がデッキにたむろしていたのでした (汗)。
 とまぁこんな感じで、300ks取られ損の気配が濃厚で、これに乗るくらいなら急行用ボックスシート客車を用いた200ksの非冷房特別車に乗った方がマシだと思ったのですが (←日本円に換算して10円の違いですのでケチケチするなよ、と ^^;)、その後クーラーの補修部品が潤沢に入ったとかで、引き続き札沼キハ40は300ks運賃で走っているようです。
 それにしても、ミャンマービールの深緑ラッピングもそこそこ似合っていると思うのですが、これを剥がした北海道色4~5連を見たいと思うのは私だけでしょうか?