地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第四ヤンゴン熱鉄記 (23) キハ11東海色

2017-01-03 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 もともと東南アジアと南アジアの結節点にあたるミャンマーが、ひとたび経済開放と民主化へと舵を切れば、その後の変化はまさに飛躍という言葉がふさわしいものがあり、ヤンゴンだけを取るならば、鉄道事情をはじめあらゆる物事が目まぐるしく変わっているように思います。4年前に初訪問した際の、世界史から取り残されたような風情は、最早遠い昔のようです……。
 そんなミャンマーと日本の協力関係は、昨年のアウンサンスーチー国家顧問の訪日によって加速しており、いつもお世話になっております落花生。様もインドネシアからヤンゴンに転勤されて以来、日々ミャンマーの各地をお仕事と趣味で駆け回っておられ (→落花生。様のブログを)、日緬関係の担い手としてのお仕事ぶりに脱帽するだけでなく、名著『インドネシア鉄道の旅』に続く『ミャンマー鉄道の旅』の刊行に期待したいところでもあります。



 しかし一方、昨年末のニュースとして、ミャンマー政府が中古自動車の輸入を左ハンドル車に制限する決定を下し、中韓車よりも日本車を御贔屓としている国民やディーラーの間で当惑が広がっているのだとか……。最近中緬国境での紛争が再燃し、中国に電力を供給するためのミッソンダムの工事も再開されないなど、中国はミャンマーとの関係で行き詰まりを抱える中、さりとて日緬協力を指をくわえて眺めているわけでもなく、ミャンマーに如何に中国製品を売り、インド洋への出口として影響力を強めて行くかについて、次の一手をじっくりと考えているでしょうから、とりわけミャンマーの鉄道・交通インフラという面で、日中両国がどのような角逐を展開して行くのか、間違いなく見逃せない一年となることでしょう。

 というわけで、気がついてみれば昨年3月のヤンゴンネタが貯まったままになっておりましたので、続きとしてJRCキハ11を貼ることにします。キハ11が5連で高山行きを表示しているという有り得なさもさることながら、この時点ではまだキハ11のみ冷房を使用しており、窓が全て閉まっているのは、ヤンゴンデビューから僅かな期間のみ見られた歴史的記録としても貴重なものでしょう……。
 そう、如何なる鉄道車両も、一旦東南アジアの地を走ることになれば、何時どうなるかは全て神仏のみぞ知るナゾと変転の世界。今や、屋根を改造してクーラーを下げ、幕板部分に水抜き穴を設けたのは一体何だったのか……という感じです (汗)。また、ティラワに水揚げされたきり放置されているという東海車追加分の動向も気になりますね……。