最近のミャンマーがらみのニュースを見るにつけ、どうもスーチー政権は足踏み状態が続いており、とりわけ少数民族地域和平を達成するためにも、複数の少数民族に影響力を持つ中国を重視しているとか。勿論、ミャンマーはミャンマーなりの国益を追求するため、とりわけ様々な大国の影響力に囲まれた地政学的環境を逆に活かすためにも、中国との社会経済的関係も重視することは当然あり得るわけで、それが例えば新型空気バネ客車の量産(ヤンゴンからマンダレーとピィに向かう最速列車に充当)にもつながっていることは当ブログでも度々触れている通りです。
しかしまぁ、今年1月に発足したヤンゴンの新バス組織YBSの所属車両が、猛烈な勢いで中国車となっており、一定の年限を過ぎた日本中古は走行禁止措置がとられつつあるという話を側聞しますと、さすがに何らかの裏取引を感じざるを得ません。ヤンゴンの都市鉄道では完全に日本に水を開けられた中国が、バスの面で存在感を大々的に発揮するべく猛烈にミャンマー政府やヤンゴン市にアタックをかけたのでしょうか?
とりわけ、去る3月の時点で、中国製バスも含めて手当たり次第に撮っておりますと、市街中心部の路線に充当された中国製バスの大部分(とゆーかほとんど)は、河南省に本拠がある一大メーカー「宇通客車」製で、河南省都・鄭州市の路線バスの経路表示がそのまま残っているという……。中国政府が、河南省や鄭州市に指示して中古バスをごっそりプレゼントし、ヤンゴン市を将来にわたって宇通の市場に塗り替えてしまおうとする構図が透けて見えるような気がします。
ちなみに個人的には、バスのかたちだけを見ますと、ウリナラ・エアロエースよりもこちら宇通の方が全然好きです (性能面は知ったこっちゃない)。宇通の長距離用バスは超デカ耳バックミラーでキライなのですが……。
何はともあれ、今年3月の時点では日本・中国・ウリナラの三つ巴となっていたヤンゴン中心部のバスも、下手をするとウリナラ・エアロエースすら駆逐されて中国一辺倒になりゆくのかも知れません。そう思うにつけ、「全ては諸行無常!一期一会!」という東南アジア撮り鉄・撮りバスの基本原則を再確認せざるを得ない今日この頃です。これらの宇通バスにしても、急速にクーラーが故障して行き、あるタイミングを境に突然全車後継車と交代して引退へ……という展開になる可能性もゼロではないのですから。