地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

宮城乗物縦断 (5) ED75・快速花めぐり

2019-07-07 11:30:00 | 国鉄型車両


 JRE仙台支社は、毎年春の大河原〜船岡桜、そして福島花見山のピークに合わせて、ED75と高崎所属客車による「快速花めぐり」を運行しており、概ね隔年ごとに12系と旧客が往年の東北線客レを彷彿とさせるかたちで花見客やヲタを楽しませているようです。というわけで、運行される時間帯の有名撮影地はどこも大変なことになるようですし、福島行きのJR夜行バスも車内のかなりの割合が早朝から場所取りを狙うヲタだったりするのですが (今回の街道歩きで乗って内心大爆笑)、まぁ私自身は熱烈なJRヲタ・ネタ鉄ではありませんので、そんなの何処吹く風と思いつつ春の街道を歩き、日中やや人出が減った撮影名所陸橋にて (パンピーの皆様は凄い人出 ^^;) 701・E721系や貨物の撮影に興じたのですが、午後の「快速花めぐり」仙台ゆきは、蔵王と桜に対して罐の顔がダメダメ逆光ですので、待つ意味は薄し。まぁ皆さん頑張って……と思いつつ、元の街道に戻ったのでした。



 とはいえ、一応「快速花めぐり」の船岡発車時刻は、手持ちの地図に書き込んでおりまして、自分が歩いている位置が線路に近くなり、しかも通過時刻と重なり、撮り易い場所も見つかりそうであれば、折角の機会につき撮ってやろうと思っておりました。そこで、槻木の手前、白石川のJR橋梁に着いたところで、通過まであと20分ほどとなりましたが、橋そのものはコンクリートが下回りを隠すなど撮りづらいという……。そして何人かのヲタが、橋に来たものの期待したほどの眺めではないためでしょうか、満開の桜越しにED75のサイドビューを撮ろうとしているようでしたが、これもどうも、周囲の物とのからみで、すっきりと美しい絵にはならないような気が。
 というわけで「最初から狙っているわけではないし、まいっか」と諦めまして、槻木市街の南部へと進んだのでした。改めて時計を見ると、「花めぐり」通過まであと5〜6分……。一方、地図を仔細に眺めると、どうやら線路沿いに入る横道があるらしい。そこで、これは一か八かの勝負に打って出ることにしました (笑)。槻木駅南側の、東北線と阿武急が並行する区間は撮り易いのか否か、全く知る由もありませんが、もしハズレであったとしても、歩いて僅か数分のロスにしかなりません。角度的にはド逆光ですが、それはまぁそれ。他のヲタとの場所取り争いも長時間待機も一切抜きにして、まさに一瞬芸でネタ列車を撮るという最高のチャンスかも知れません……。
 そこで駆け足で線路脇に出たところ、をを!若干架線柱とヲタ除けロープと草が鬱陶しいものの、何とかイケそうではないか! と思った間もなく、遠くからフィーーーーーッ!と甲高い汽笛一発、猛スピードでED75と12系が駆け抜けて行きました……! 
 う〜〜〜ん、これはまさに、国鉄時代の12系臨時急行というノリですな!! 個人的に、ED75は貨物や鈍行を牽引しているという印象が強かったため、この小粒な罐の何処にこんな高速走行性能があったのかと驚くばかりですが、まぁ12系を牽引する程度ならお茶の子さいさい、小粒でピリリと辛い赤唐辛子、ということなのでしょう。
 こんな感じで、期待していなかったものが運良く撮れてしまったことで、満開の桜を眺めながらの奥州街道の旅に、またとない思い出が加わったのでありました。その後は再び東北線から離れ、岩沼の手前では全線再開を待つ常磐線を跨ぎ、製紙工場への専用線の様子を観察したのち、岩沼の街の北にあるルートインに泊まったのでした。

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